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パニックスクール
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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パニックスクール 25

4月も半ばほど過ぎ、連休まであと一週間まで迫ったある日の昼休み。
たまには屋上でのんびり食うのもいいかと思い、鼻歌を歌いながら洋平は本日の戦利品である惣菜パンを持って階段を上がる。
屋上で何が繰り広げられているのか気が付かずに。



さて、洋平が屋上に向かう少し前。休憩時間にお昼ご飯を何処で食べるのかと洋平に聞いていた絵美は一足先に自分のお弁当を持って来ていた。
「うーん、風が気持ちいい」
涼しい風を受けながら背伸びをする絵美。春にしては暖かい所か、暑い。初夏とも思える気温だ。
4月も半ばを過ぎていれば、校庭の桜は見事に散り切っており、葉桜の緑が目立つ。
だが、絵美の後ろから忍び寄る人影。油断している絵美は気付かない。
「お姉さま〜♪」
後ろから声を掛けながらさっと伸ばした掌で絵美の豊満な胸を鷲掴む。
「きゃうっ!!」
驚いて絵美は女の子らしい声を出してしまう。
「ああっ、相変わらずお姉さまの胸は大きくて揉みがいがありますこと」
「ちょっと、やめて……麻美ちゃん」
絵美の頬は赤らみ、息も荒げる。そんな絵美にお構いなしに麻美と呼ばれた少女は絵美の胸を服越しに刺激していく。
七海 麻美(ななうみ あさみ)は絵美とは一つ学年下の後輩で、彼女は困っていた所を絵美に助けられてから彼女を慕っている。
いや、慕っているにしては度が過ぎている部分もある。
それが今も進行中である。だが、彼女にとっては最悪の事態が迫ってきている。すぐそこまで。
「やぁ、やめ……て、麻美……ちゃん」
「お姉さまの胸、凄く柔らかいですわ〜♪」
顔を緩ませ、幸せ絶頂と言わんばかりの麻美。だが、絵美の声に艶が入ってしまっている。
その時、がちゃっと屋上の扉が開く。
「おーい、斉藤。おまた……」
扉のノブを持ったまま、硬直する洋平。同じく硬直する絵美と麻美。時間がと言うより空間が凍った。
「あー、わりぃ邪魔だったみたいだな」
何事も無かったかのように屋上から去ろうとする洋平。

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