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楽恋鉄路旅情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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楽恋鉄路旅情 8

そんなこんなで僕らは他愛もない話をしていたが、さすがに昨夜が遅く、朝が早かったので彼女はうつらうつらしている。
車窓には遠くに灰色の日本海が見えて、近くには田んぼが広がっている。そろそろ柏崎だ。
柏崎には昔に来たことがあるがよく覚えていない。ヨットに乗ったことは覚えているが、果たして何をしに行ったのかは覚えていない。
柏崎の駅に降りたことはないが、越後線の乗り換え駅だから多分おおきいのだろう。
僕も眠くなってきたからしばらく寝ていることにした。


ー20分後ー
目を空けるとまだ彼女がぐうすか寝ていた。すごい格好で寝ている。余り表現したくないが、余りにひどい。
千鳥配置シートのように目の遣りどころに困る僕は、とりあえず窓の外の景色でも見ていることにした。
長岡市なのかはわからないがかなり街中になってきた。時間通りならもうすぐ長岡である。列車は重ったるそうなジョイント音を響かせて走っている。


ー鉄道唱歌ー
「えぇ、皆様、長旅お疲れさまでございます。まもなく列車は長岡駅に到着いたします。お出口は右側です。お乗り換えは・・・」
とりあえず車内放送をしたが、また後ほどこの駅に来ることになる。なぜ乗り換えないかというと、新潟にある駅弁が目当てである。しかも今回は面白いものを用意してあるから新潟なのである。
 長岡の駅は幾度となく通ったが、未だに国鉄形電車が多く来る駅なので一日中いても飽きないと思う。新幹線に乗り換える客が降りていくが、新潟まで乗り通して青森方面まで向かう客が多いようだ。

長岡ー直江津間はあまり乗らないが、長岡ー新潟間ならよく乗るので慣れている。車窓からは一面の田んぼが見えて、新幹線も少し見える。ちなみに新幹線からは在来線がよく見える。
以前に「ムーンライトえちご」でこの区間を乗った時は朝焼けがものすごくきれいで思わず見とれてしまったが、今日は時間が遅い事もあり、晴れ間がちらつく空しか見えない。
さて、彼女は相変わらず寝こけていると僕は顔をも洗いにいけないので彼女を起こすことにする。ちょうど列車は見附に着いた。 
長岡から先は10分ごとに停車駅があるので、だんだんと新潟に近づいていることが感じられる。
「おい!そろそろ起きて下さい。」
彼女の肩に触れようとしたそのとき、
「わっ!」と彼女がいきなり起きた。
「ど、どうしたの?綾香。」
「あ。あ〜、なんでもないわ。ちょうどあんたの夢を見た。」
「はぁ。で、どんな夢なの?」
「・・・私ってそんなに・・・そういう願望が?・・・」
「なに?鞭でたたかれたとか?」僕は、ちょっと調子にのってみた。
「・・・後で覚えてなさい。帰ったら鞭でたたいてやるわ・・・。」

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