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楽恋鉄路旅情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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楽恋鉄路旅情 10

〜数十分後〜
僕らは長岡行きの普通列車の車中にいる。ボックス席の1つを占領して列車が発車するのを待っている。
「まもなく、「信越線」「長岡行き」列車が発車しまーす。」駅員のホイッスルが合図で、列車が発車した。
新潟を出ると左手に上沼垂(かみぬったり)の車庫が見える。いわゆる「新カヌ」だ。鉄道のわかる人ならわかるだろう。「カヌ座」などと呼ばれたお座敷列車もあった。
今は国鉄標準近郊型電車の115系と国鉄標準特急型電車の485系やJRのE127が車庫にいる。485系はムーンライトで使用されている「特急色」の編成もいた。
特急と言えば、最近久しく特急に乗っていない。
大概が18切符で、しかも快速すら走っていないような田舎に行くのだからまぁ仕方ない。
最後に乗ったのは羽越線の「いなほ」だった気がする。
長岡までは都市間電車の役割を持っているので、乗車率は高い。
「なぁ、綾香は一体どうしたいの?」
「どーいうことかしら?」
「いゃ、さ…将来とか…」
「そーね…じゃあ考えとくわ。」
「…は、はぁ…そうですか…」
「何か?」
「いえ、別になにも。」
「あんたはどうしたいの?」
「僕は…平和に暮らせればそれでいいです。」
「…ウソつき。」
「…ごめんなさい。ヘタレです。」
「じゃあどっかかっこいい男でも釣ってこようかしら…」
「それだけは勘弁して下さい。」
「あら、なんで?」
完全に遊ばれている自分が情けないです。

しかし、綾香は気まぐれだ。
僕の性格もなかなかいい加減だと思うけど、綾香は格別に気まぐれで、度々僕を悩ませる。

(黙ってりゃかわいいんだけどな…)

「な・に・か・言ったかしら?」
「いえ、何も。」

絶対に僕は彼女に勝てないだろう。

彼女はもともと関東の生まれでなくて、とりあえず大阪より西で生まれたらしい。
幼少時代の話しはまだ聞いていないが、なんとなく想像はできる。

たまに変な方言が出てきて僕にはよくわからないが、とりあえず面白いからよしとしている。
ちなみにお好み焼きを作るのが上手だ。
「なぁ、今度また美味しい手料理作ってよ。」
「ヤダ。」
「何故か?」
「子曰く、料理は面倒なりや。」
「…せっかく美味しいワインがあるのになぁー」
途端に彼女の目が光る
「か、考えておくわ…」


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