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楽恋鉄路旅情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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楽恋鉄路旅情 3


「わー。欲しい欲しいです。お姉さま〜っ!」
「あら、仕方ないわねぇ、じゃあ・・・キスしてよ。」
もともとアルコールで赤みがかっていた彼女の顔が真っ赤になっている。
「え・・・」
あたまのなかの血管を流れる血液の量が三倍くらいになった気がした。僕の顔もタコのように真っ赤なことだろう。
「・・・イヤなのっ?」
そ、そんな顔で見られると・・・選択の余地がなくなる、あぁ。
かわいいよなぁ。

僕は彼女の手を取りゆっくり彼女に近づいていく・・・
20センチ・・・10センチ・・・5センチ・・・

彼女の唇に僕のそれが触れる・・・柔らかい感触が体中に広がっていく・・・ん?・・・。
ぷはっ。やられたよ。
「なぁ、酒臭い。」
「ふふふ、ひっかかったぁ〜!」
ダメだ。この酔っ払い。






「あの・・・お取り込み中失礼しますが、乗車券を拝見させていただいてもよろしいでしょうか?」
 気がつくと僕らの後ろに車掌が立っていた。20歳位に見える。非常に気まずいでしょう。
「あ、あやか、き、切符だって、」
「き、切符ねぇ、ええと、どこかしらぁ?」
とりあえず僕の切符を見せた。車掌は相変わらずうつむいている。判子を押す手が震えている・・・。
「あ、あったわぁ。は、はい。よろしくて?」
「・・・はい、どうも。」マズいよ。口元も震えている・・・。 
足早にこの場を立ち去ろうとするが、最後に一言、
「な、直江津までここにいらっしゃいますか?」
「あ、はい。」
「ドアを手動にしておきますんで・・・。」
「あぁ、どうも・・・」
ガラガラ、ガチャン!
・・・・・
「ねぇ、あの車掌はいつからいたのかしら?」
「多分最初からだろう。あの反応だとな。」
「はははぁ、いと恥ずかしかな。」
「しかもドアを手動にって、遠まわしに気づけよーって言ってるんだよな。」
「そうね」
「・・・少し仮眠するか」

「お休み、私の枕さん。」
ムギュッ。
「えぇ、っちょ、ちょっと。」
「文句言わな〜い。」
「なぁ、耳真っ赤だぜ。」
グフッ・・・アッパー命中。
「し・ず・か・になさい。」
「ハイ。しゅみましぇん。」

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