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楽恋鉄路旅情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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楽恋鉄路旅情 2



 さて、今回の旅行は始まりが少々ハードだ。急行「能登」で直江津に向かったあと、急行「きたぐに」に乗り換えてから新潟まで行き、新潟から上越線で越後湯沢まで行って温泉に入り、越後湯沢から上越線で高崎まで行った後今度は高崎線で上野まで行って、上野から寝台特急「あけぼの」のゴロンとシートで酒田まで行き、酒田から陸羽西線と陸羽東線を乗り継ぎ小牛田まで行き、小牛田から仙台。そして東北本線で帰ってくるというなんとも「鉄分」の多い旅だろう。
切符は土日切符を使った。
指定席は四回まで無料で取れるので、とりあえず「あけぼの」の指定を取った。
僕は1ヶ月前の朝10時、指定券をとるために1時限の講義をサボってみどりの窓口に並んだ。綾香と待ち合わせたが彼女が来ない。
僕は上着から携帯を取り出して電話をかけた。「・・・ガチャ・・うぅ、アタマ痛い。誰?こんな夜中に私を起こすのは?」
「あのなぁ、今何時だか知ってるか?」
「・・・バカっ、なんでもっと早く電話してくれなかったのよぉ!、ガチャ・・・」
僕はいいかげんに頭にきた。今日こそ彼女にビシッと言ってやろうと思った。だけど・・・
ー20分後ー
彼女が階段から現れた。改札を出て、こっちへ走って来る。「・・・今日という今日はなぁ・・・」「ゴメ〜ン!」
ムギュッ・・・
「ねぇ、あ・つ・しさん・・・」
上目づかいで、まるで子犬のような眼差しで僕の顔を見る・・・
(だまされるな、だまされるな、だまされるな・・・)
ねぇ?といった感じに首を傾けて困った顔をする彼女・・・。
(ま、負けた・・・)

いつの間にか僕の首元には彼女の腕が回されていた。
彼女が耳元で囁く、
「許してくれるわよ・・・ね?」
「はいっ!すみませんでした。お姉さまっ。」
僕の怒りは明後日の方向に飛んでいってしまったようだ。
何だかまた巧くだまされたような・・・まぁいいとしよう。彼女にはどうしても勝てないのだ。
 その後はとりあえず指定席を確保し、彼女と都内の模型店を巡った。何だか知らないうちに彼女に大型時刻表を買わされていた。もちろん携行する(させられる)のは僕だ。(重い・・・)
さて、話は戻って急行「能登」のラウンジである。

机の上に手を伸ばすと、さっきまで山になっていた柿の種がなくなっていて、代わりに大量のゴミが散乱していた。
「ざんね〜んっ。わ・た・しがぜ〜んぶ食べちゃいましたぁ〜。」
「ふふふ・・・そんなこともあろうかと今日はなぁ・・・」
こんなこともあろうかと予備を持ってきたのだ。
「あ、リュックに入ってたのなら無いよ〜」
「あ、ぁ、僕のおつまみが・・・」
「あれぇ?まだここに貝柱が残ってるぉ」
「わざとらしいな。」
「いらないならいいわよぉ〜」

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