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ケイとみんなとパラレルな事情
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ケイとみんなとパラレルな事情 5

その後、昼飯を香織と智香、柊達と一緒に食べる事になった俺は今までありえなかったメンバーに違和感を感じながら食堂での時間を過ごす羽目になった。
「そう言えば、午後の授業は体育だけど大丈夫?」
俺の向かいに座っている香織が聞いてくる。
俺が「なんで?」と聞き返すと、香織は苦笑しながら先程の教室での一件を心配そうに示唆する。
「だって、ケイったら教室で中嶋をお昼に誘うんだもん。今まであり得ない事だったから心配するわよ」
どうやら、この世界での俺は幸司と一緒に行動する事はないらしい。
「えっと、体育の授業って何をやるんだっけ?」
幸司と俺の関係が思ってるより違ったので、あまり深く突っ込まれないように話題を逸らす俺。
「次の体育はバスケね」
香織の隣に座っていた柊が即座に答えると、香織は何やら嬉しそう……ってより、何故かニヤニヤしだした。
「よーしっ! 今日も美弥のやつをギャフンと言わせてやるぞぉ!!」
妙に気合いの入っている香織に智香が心配そうな顔をした。
「香織ちゃん、またこの前みたいな事はしないでね。美弥ちゃん芸能人なんだから怪我したら大変なことになっちゃうよ……」

「この前みたいな事?」
俺が不思議そうな顔をすると柊が説明をしてくれた。
「前の授業でバスケの試合をした時、最後に香織と美弥が乱闘騒ぎをしたのよ。覚えてない?」
知らなかった……
とは、言えないので苦笑いをしてると香織がテーブル越しから俺の顔に自分の顔を近付けるとまじまじと見つめてきた。
「ねえ、ケイったら本当に大丈夫? 調子悪いんだったらちゃんと言ってよね」
香織の言葉を否定しながら頷く俺だけど、間近で見つめる香織の視線と恐らく愛用しているシャンプーであろう薫りに思わず赤面してしまった。
「お姉ちゃん、顔赤いよ。どうかしたの?」
智香の指摘に思わずドキッとする。
何でこんな時にそんな嫌な指摘をするかなぁ、この妹は。
ひょっとして遠回しな嫌がらせ?
なんて事を考えていると柊まで俺を観察するかのように見だした。
「うーん、今日のケイは何かいつもと違うかも……」
俺をまじまじと見ていた柊がポツリと呟く。
そんな一言にドキリとさせられた俺は何とか平常心を保ちながら何故と聞き返した。
「見た目は変わらないけど、雰囲気……そう、雰囲気がいつもと違う。なんて言うのかな……うん、少年みたいな感じ」
思わず顔が引きつった。
確かに今の俺は性別上は女だけど、中身は相沢圭介という男だ。
しかし、柊加奈子。
なんて恐ろしい子……

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