ケイとみんなとパラレルな事情 20
にっこり笑う香澄先輩は予備動作を見せる事なく藤堂を凪ぎ払うと、俺の手を取り体育館に向かって走りだした。
智香の横を通り過ぎる時、俺は智香が今までの真剣な表情とは全く違う笑顔になっているのを見逃さなかった。
どうやら俺はまた智香達の策に踊らされるようだ。
一体、この騒ぎはどこまで大きくなるのやら……。
ちょうどその頃、体育館に美弥が一人到着した。建物の中央にはどでかい図体をした学園長がどっしりと構えている。
「辿り着いたのは貴様一人か…意外な人物が生き残ったな」
「こ、これでケイさんには手を出さないのよね?」