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ケイとみんなとパラレルな事情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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ケイとみんなとパラレルな事情 4

「なんだ朝から騒がしいと思ったらまたあんた達なのかぁ」
呆れた様な口調で香織と美弥の間に割って入ったのは担任の絵里香先生だった。
「あっ、絵里香ちゃんおはよう」
「柏原先生おはようございます」
まさに対照的な挨拶をする香織と美弥に絵里香先生は笑顔で挨拶をすると香織と美弥の肩に手を置いた。
「まあ、あんた等の話は面白そうだからもうちょい聞いてたいけど、ホームルームの時間だからタイムアップのドローってことで」
絵里香先生の言葉に慌てた美弥は「失礼します」と一言だけ言うと教室を飛び出していった。
朝、そんなドタバタがあったくらいで午前の授業は穏やかに進み時間は昼休みになった。
そして、気の揺るみきった俺はついいつもの調子でとった行動がクラスに波紋を投げる事になる。
「おーい、幸司。昼飯食いに行こう」
この何気ない一言でクラスのみんなが固まった。
「ええーっ!!」
みんなが信じられないといった顔で俺と幸司を一斉に見る。
「はいはぁーい。ケイさんのお誘いならどこでもOKですよー」
嬉しそうに驚喜乱舞しながら俺に抱きつこうとする幸司の顔に香織の鉄拳がめり込む。
「あんたはどさくさに紛れて何しようとするのよっ! てか、ケイ。どーゆー風の吹き回し?」
幸司を殴り倒した香織が俺の額に手を当てて心配そうに見つめる。
「ケイ、本当にどうしたの? 中嶋なんかとお昼食べようなんて言い出して」
そう言う香織の言葉にクラスのみんなが同意してる様だ。
「てめ、朱鷺塚ふざけんなよ! ケイちゃんが俺を昼飯に誘ってくれたのは俺に好意を寄せてるからに決まってるだろーがっ!!」
それはないない。
俺が幸司に好意の欠片もない事を言おうとした時、不愉快そうな香織が幸司に突っ掛かる。
「んな訳あるはずないでしょーがっ! 今日のケイは体調が悪いだけよっ」
香織は俺を抱き寄せると、幸司をシッシッと手で追い払うようにした。

「ちょっと待てよ……」
幸司が香織に抗議しようとした瞬間、幸司は両腕をクラスの女子に抱えられそのままズルズルと教室の後ろの隅に連れていかれてしまった。
スマン、幸司……
助けてやりたいのは山々だけど、今の俺が仲裁に入ると余計状況が悪化しそうだからそのままにさせてもらうよ。
教室の隅でクラスの女子に袋叩きに遇っている幸司を見て軽く溜息を吐いた俺に香織はにこやかに笑いながら「ケイが気にする事じゃないよ」と言ってくれたけど、俺的には心中複雑だった。

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