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ケイとみんなとパラレルな事情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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ケイとみんなとパラレルな事情 1

ある月曜の朝。
俺こと『相沢圭介』は極普通の朝を迎えた筈だった。
智香からあの朝の挨拶を聞くまでは…
 
「お姉ちゃん、お早う」
ベッドから起きだし、寝ぼけ眼を擦りながら二階の部屋からリビングへ降りると智香に会い、最初に言われた挨拶はそれだった。
「お姉ちゃん、どうしたの?ボーッとしちゃって。もしかしてまだ目が覚めてないの?」
「……そうみたい。顔を洗ってくる」
俺は智香にそう言うと洗面所に向かった。
ここから俺の悪夢が現実味を帯びてきたのだった。
 
俺は智香の挨拶をあまり深く考えずに洗面所に行き鏡を見て固まった。
「な、なんだこりゃ〜!!」
まさに言葉通りだった。
鏡に写る俺の姿は『相沢圭介』のものではなかった。
どこからどう見ても俺が女装してる時の姿である『ケイ』なのだ。
しかも質が悪い事に俺の胸には普段見ない筈の大きな膨らみがあるではないか。
何か悪い夢でも見てるのかもと思い、自分の胸に付いている膨らみを軽く揉んでみた。
その揉んだ感触はダイレクトに自分の感覚に返ってきて妙な感じだった。
そして、恐る恐る手を自分の股間に延ばすとみるみるうちに顔が蒼くなるのだった。
 
あるべきものがない!
今まで当然の様にあった自分の分身とも言うべきものがなくなっているのだ。
圭介が手を延ばした先は限りなくまっ平らだった。
「あわわ……」
ケイがあまりの事態にうろたえていると背後から智香が急かすように声をかけてきた。
「お姉ちゃん、何してるの?早くしないと遅刻しちゃうよ」
ここまできたら開き直るしかないかと思ったケイは大きく深呼吸をすると急いで顔を洗い食事を済ませると自分の部屋に戻り制服に着替えるのだった。
しかし、自分の部屋にあった制服は自分が通ってる清櫻学園のものだが、デザインが智香と同じものだった。

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