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ケイとみんなとパラレルな事情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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ケイとみんなとパラレルな事情 3

「か、香織!? お、おはよう……」
少し困った様な表情で挨拶をする俺に香織は満面の笑みで俺の首に抱きつくといきなり頬ずりをしてきた。
「ちょ、ちょっと香織!?」
「う〜ん、ケイは今日も可愛いわよねぇ。あたしが男だったらケイをお嫁さんにしたいくらい」
思いっきり身体を密着させてじゃれついてくる香織の胸の感触に俺の身体は硬直してしまっていた。
てか、朝から刺激が強すぎるって……。
「香織っ! 貴女ってば何やってんのよ!!」
香織に抱き着かれ困り果てていた俺の後ろから怒声が響いた。
「なによ美弥。あんたには関係ないじゃん」
「関係なくないわよっ。朝からケイさんに抱き着いて何のつもり!?」
「愛情表現」
怒りを隠せない表情で問い詰める美弥に対し、香織は俺に抱き着いたままケロリとした顔でとんでもないことを言ってくれたのだ。
「な、ななな…なんですってぇ!! 私だってまだケイさんに抱きしめてもらったこともないのに……」
ショックのせいか足元が覚束ない美弥は芝居がかった仕種でその場にへたり込んだ。
いやいや、美弥さん。香織に抱き着かれはしてるけど、俺が抱きしめてる訳じゃないんだよね……。
「羨ましいでしょ〜。でも代わってあげないよん♪」
「う、うるさい、うるさいうるさーい! べ、別に羨ましくなんかないわよっ」香織の挑発にかかった美弥は顔を真っ赤にして立ち上がると、まくし立てる様に否定をするがその言葉が虚勢であることは態度が証明していたのだった。
そして、そんな美弥の様子を香織はニヤニヤしながら見つめていた。
「ホントかにゃ〜? ホントのホントに羨ましくないのかにゃ〜?」
悪戯っ子の様な笑顔を見せる香織は何を思ったのか、いきなり俺の頬にキスをしてきやがった。
その瞬間、一斉にどよめく教室。
そりゃ、朝から教室でキスすれば騒ぎになるよな。
「か……かかか、香織ちゃん!?」
「ん? なぁに、ケイ?」
真っ赤な顔でうろたえる俺と、嬉しそうにしてやったりといった表情の香織を呆然と見つめていた美弥だったが、我に返ると烈火の如く怒りだしたのだった。
「ちょっと香織! いくらケイさんと親友だからってやり過ぎよっ!!」
「何よ、ケイだって嫌がってないんだからいいじゃない」
「そういう問題じゃないでしょ!」
等と香織と美弥が口論をしている時、教室の前のドアが開いた。

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