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ケイとみんなとパラレルな事情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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ケイとみんなとパラレルな事情 18

「ふむ、朱鷺塚と藤崎か……。威勢が良いのは結構だが、果たして儂と渡り合えるかな。見たところ現状では、朱鷺塚、真田、二階堂の三名が戦うに値すると見るが」
学園長がそれぞれを値踏みするかの様に見ると不敵な笑みを見せる。
「わ、私は戦力外と言いますの学園長!」
学園長の言葉に憤慨した美弥が怒声を上げるが、美弥の足は微かに震えていた。

「がっはっはっは!!戦う前から勝敗は決しておるようだな!!僅かでも勝利への希望を抱きたければ、足手まといは連れてこぬ事だな!!」
 学園が低い声で大笑いしている時だ、電算室の窓が一斉に割れた。窓からワイヤーを付けた男達が乗り込んでくる。

「10分後、体育館で会える事を楽しみにしているぞ!!」
学園長は窓枠を破壊して外へ飛び降りた。残ったのは黒い全身タイツの男達、目、鼻、口以外どこも肌の露出がない、まるで悪の組織だ。

「悪の秘密結社って奴ですかね…香織!!ここは僕らに任せて体育館へ…て、あれ?」
真田が叫んだ時、香織と美弥の姿は既に電算室から消えていた。唖然としている真田の手に、一本の刀が投げ渡される。

「何をボケーっとしている、さっさとコイツら片付けて美弥ちゃん達を追いかけるぞ!!」
二階堂が刀を抜くと、真田もそれに続いた。刀を抜くと二人の目付きは先程とはまるで別人、そう狼が獲物を狩る時の目付きに変わっていた。
 その時香織達は体育館への廊下を走っていた。香織は全く表情を変えずに走っていたが、美弥の方は…

「ちょっと香織、速過ぎるわ!!」
「制限時間は10分よ?普通に行けば余裕だけど─」
香織が美弥の手を引っ張り走っていると、急に教室の扉が開き、中から黒タイツの男達が現われた。香織は一旦美弥の手を放すと、ハリセンを持って単身男達に突っ込んで行く。
 彼女の姿はまさに蝶の様に舞い、蜂の様に刺すだった。誰一人彼女の動きについていけずに、ただハリセンの前に倒れていくだけだった。倒れた男達の中で香織は美弥が来るのを待っている。

「急げ美弥!!」
「待ってよ、はぁはぁ…」
ぐらぐら揺れる美弥の視界に不吉な光景が映る。香織の後ろで倒れていた黒タイツが、香織に銃を向けていたのだ。美弥は叫ぼうとしたが声がでない。

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