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ケイとみんなとパラレルな事情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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ケイとみんなとパラレルな事情 19

パーン、乾いた音と共に香織が倒れていく。その時、銃を構えていた黒タイツは香織のハリセンの餌食になった。美弥は急いで駆け寄っていく。

「香織、香織、しっかりして!!」
「私は少し休んで行くわ…早く体育館へ、早く…」
香織の瞼が少しずつ閉まっていく、美弥は頷くと立ち上がり走りだした、走る彼女の頬は涙に濡れ……たりするはずもなかった。

「これでライバル一人脱落と♪でも麻酔銃を用意してるなんて、本格的だわぁ…それに問題は学園長よねえ─」
「そうね、学園長との対決は免れないわ」

「え!!いつからいたの!?」

美弥の隣りをいつの間にか加奈子が歩いていた。頬をかく美弥の頭に、大きな汗マークが現われる。
 
その頃、ケイはイライラしていた。
その原因は香澄の前に立ち憚る藤堂聖夜と中嶋幸司だった。
いくら香澄が強くても、流石に男二人を同時に相手をすれば分も悪くなる。
ケイは舌打ちをすると身を低くして香澄の死角へ入った幸司の方へ飛び出した。
突然のケイの突進に驚く幸司だが、驚きはそれだけでは終わらなかった。
向かってくるケイの姿が幸司の視界から消えたのである。
消えたといっても、ケイは単に幸司の目の前でいきなりしゃがみ込んだのだ。
しかし、それだけでは終わらせずケイは強烈な足払いを幸司の足に見舞った。

「そこまでです、ケイさん」
藤堂の竹刀が屈んでいるケイに突きつけられた。

「貴方がね」
竹刀を握る藤堂の首元に、すかさず香澄の薙刀が突きつけられた。倒れている幸司の頭上には、2羽のヒヨコが飛び回っている。形勢逆転だ。
形勢を有利にした俺達に智香が声をかけてきた。
「お姉ちゃん、香澄先輩。ちょっと状況が変わってきたみたい。急いで体育館に向かって」
「状況が変わったって?」
「いいから急いでっ! 加奈子ちゃんからメールがきたの! 香織ちゃん達がピンチなのっ!!」
真剣な表情で訴える智香だったけど、俺の中では柊の名前が出てきた事で何か裏があるんじゃないかと警戒し始める。
「智香ちゃんがそこまで言うんですから体育館に参りましょう。それに、私も香織ちゃんとお話しないといけない事もありますしね」

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