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ケイとみんなとパラレルな事情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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ケイとみんなとパラレルな事情 15

予想通りの美弥の反応に、加奈子は首を横に振りながら溜め息をつく。
「いいかしら?最初に言ったけど“主役はあなた達二人”よ?あなた達には頑張ってもらうわ、それに今回の本来の目的は……、“学園長への挑戦”よ」
『はい?』
美弥と香織はほぼ同時に声を裏返した。二人とも目が点になっている。
「学園長最強神話、ここで終わらせてやるわ…クックックッ」
「悪い顔してるぜ?柊さん」
怪しい笑みを浮かべる加奈子の後ろから、突然二人の男子生徒が現われた。二人共風紀委員の腕章を付けているが、制服のボタンは外してあったり、髪は茶髪だったりと、あまり風紀委員という感じはしない。
「お、美弥ちゃんは今日も綺麗だね」
「それはどうも、加奈子さんこの方達は?」
「脇役よ?主役をひきたたせるには脇役が必要でしょ?」
加奈子は彼等を指差すと紹介し始めた。
「右のが真田信繁君、特技は剣道、剣道をやってる香織さんは全国大会で彼を見た事があると思うわ」
そう言って加奈子が香織の方を振り向くと、香織は誰かを睨んでいた。その視線を辿っていくと……真田に到達した。
「僕は恨みをかうような事、してないけどなぁ」
真田は困った顔をすると人差し指で頬をかいた。
「あ〜、ゴホンッ、次いいかしら?次は左だけど…」
「二階堂隼人だ、よろしくな」
左に立っていた生徒は二階堂と名乗った。その名を聞いた瞬間、香織と美弥は一歩後ろに退いた。
「ま、まさかね…、二階堂なんて名字たくさんあるし、気のせいよね」
「彼の父親はここの学園長よ」
加奈子はさらりと重要な事を言ってのけた。香織の不安が的中し、美弥はその場でしゃがみこむ。
「大丈夫?美弥」
香織がしゃがみこんだ美弥の肩を掴むと、彼女は瞬時にこちらを向いて叫びだした。
「こちら電算室、こちら電算室応答せよ、味方の中に内通者あり、応答せよ〜!!」
学園長の息子と協同戦線をはるというこのシチュエーションが、彼女にはあまりにショッキングだったのだろう、何を言っているのか訳が分からない程、錯乱している。
「何で学園長の息子が私達の味方してんのよ!!」

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