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ケイとみんなとパラレルな事情
恋愛リレー小説 - ラブコメ

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ケイとみんなとパラレルな事情 13

「ちょっ……と、朱鷺塚先輩!? マジですか?」
「ええ、本気ですよ。私の大事な友達に手を出そうとしているのですからそれなりの覚悟は出来ている筈ですよね。中嶋くん」
笑顔ながらも叩き伏せる気満々の香澄先輩の言葉に藤堂が反応してきた。
「いいでしょう。障害が大きければ大きい程、愛は深まるものだ!」
「てめっ、藤堂! どさくさに紛れて何ぬかしてやがるっ!! ケイちゃんのハートを射止めるのは俺なんだよっ」
えーっと……。
俺の意志はどうすんだよお前等……。

「早速大変な事になってるね。お姉ちゃん」
三つ巴の状態に取り残された俺にいつの間にか来た智香が話し掛けてきた。
「智香っ!? お前、香澄先輩まで呼び出してこの状況をどうするんだよ」
困惑気味の俺に智香は楽しそうに答えた。
「まあまあ、お姉ちゃん。楽しければ何でもおっけーだよ。それにしても、お姉ちゃんってば本当に人気者だよね。智香もここまで騒ぎが大きくなるなんて思わなかったよ」
この妹様は全く反省の色がないな。
そんな俺達を余所に香澄先輩達三人は戦い始めた。
藤堂は香澄先輩の薙刀を竹刀で防ぎながら幸司を牽制し、幸司は持ち前の身体能力の高さを生かし二人の攻撃をギリギリで躱しながら藤堂に近付こうと試みていた。
「そう言えば、香織達はどうしたんだ」
三人の様子を見守りながら俺は智香に聞いた。
「あの二人なら今、加奈子ちゃんが足止めしてるよ。今回の主役は香織ちゃん達だから早々にリタイアされても困るしね」
「えっ……!?」
智香、お前ってそんな奈津ねえみたいな事を考えられたっけ?
俺はそんな智香に違和感を感じつつ、楽しそうにしている智香の顔を見つめた。
ひょっとしたら他に黒幕がいるんじゃ……。
そう考える俺だったけど、今の異常な状況を鑑みると、現在の智香の性格はこれが普通なのかって考えも出てくる。
本当に考えれば考える程、訳わかんねーよ……。
その頃、作法室から離れた電算室に香織、美弥、加奈子の姿があった。
「ちょっと加奈子、一体なんのつもり?」
「そうです。私はケイさんのところへ急がないといけないんですから!」
詰め寄る二人に加奈子はあくまで冷静だった。
「まあ、二人が急ぐのも分かるけどちょっと落ち着きなさいって」
二人を諫める加奈子の懐から携帯の着メロが流れだす。
「来たわね……」
加奈子は自分の携帯に届いたメールの内容を確認すると、香織と美弥を呼び近くにあるPCを立ち上げた。

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