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遠い夏の日の思い出
恋愛リレー小説 - 大人

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遠い夏の日の思い出 14

私もそれに応えるように背中に手を回す。
「それより、いきなりキスすんなよ…ビックリするだろ?」
「あっ…あれはその…」
今更ながらあんな大胆なことをした自分に再び恥ずかしくなる…。

すると…私の頬に柔らかい感触があたる。
そして…そっと涼ちゃんが唇を離すと、ほんのり二人の頬が赤く染まる。
「あっ、それより沙羅さんは?」
「うん、実はあいつに早く追い掛けろって言われたんだ。今捕まえないとずっと逃げられちゃうって…」

沙羅さんは涼ちゃんの気持ちも、私の気持ちも知ってたんだ…。
なんだかやっぱ沙羅さんには敵わないなぁ…。
私って本当のバカかもしれない…。
「彩、戻ってお祭り回り直さないか?」
「うん」
私がコクッと頷くと、私たちは満面の笑みで手を繋いで歩き出した。まるで今までを振り返るように…
そして五年間の隙間を埋め合うように…。




そして今日もいつもの場所で優しく微笑む涼ちゃんが待っているあの場所へ私は向かう。
息を切らしながら愛しい人のもとへ…昨日よりも素敵な笑顔で…。

―END―


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