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恋愛日記
恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 13

私はケーキ屋に戻ってみた。
(…やっぱり居るわけ無いよね)
私はお店の前をしばらくウロウロして、諦めたように立ち尽くす。
(あ〜あ…せっかく黒田が誘ってくれたのに…しかもモンブラン一口しか食べてないよぉ)
私はウインドウの前にしゃがみ込む。
(理彩は彰とラブラブ、遥美ちゃんも彼氏がいて…黒田達も三人仲良く…)
独りぼっちの自分が何だか惨めに思えてきた。
「はぁ…」
「ため息なんて吐いてると幸せ逃げますよ?」
そう声がして、頭にポンッと何かが乗った。
見上げるとケーキの箱を持った黒田が笑っていた。
「痛!!……ってく…黒田!あれ?あとの二人は?」
(もしかして私の事待っててくれたとか?)
だんだん顔がにやけてくる。
「伊織ちゃんは塾で帰るって〜!んで、女一人で帰らせるのは危ないから真田も帰らせた!!」
「って事は二人だけかぁ〜なんか寂しいね〜」
「そう?もともとは二人で行く予定だったじゃん♪……じゃあ行こっか!!」
(へ?行く…って何処に?)疑問をもちながら私は黒田にひっぱられて歩きだした。
着いたのは小さな公園だった。
「こっち」
私の手を引いて、黒田はベンチに座る。さっき私の頭に当てたケーキの箱を開くと、隣に座る私を見た。
「全然食べてなかったろ?貰ってきた」
俺もまた買ったぁ〜と黒田は幸せそうな笑顔を浮かべる。
箱から頭の欠けたモンブランを出すと私に手渡した。私は受け取ると黒田を見つめた。黒田の笑顔は、日が暮れて来たのに光って見える。
しばらく見とれていると、黒田がアップルパイを私の持つモンブランにコツンとぶつけてきた。
「乾杯…なんてね(笑)」
黒田はアップルパイをかじった。
私の顔はいつのまにか真っ赤になって、心臓はバクバクしてた。
(なんか話したほうが…いいよ…ね?)
私は数分言葉を探した。
「…………。今日は…楽しかったね〜♪」
「うん!!楽しかった☆みんなのメアド聞けたし♪また四人で行きたい?」
黒田は私の顔を覗きながら聞いてきた。
心の中で「二人で行きたい!」と即答する自分がいた。…が実際の私は顔を赤らめ頷く事しか出来なかった。言葉がつまる程に黒田の顔が眩しく見えた。
(やばい…こんな顔赤いと変に思われちゃうよ)
私は気を紛らわすようモンブランに噛り付く。
「今度撮影で沖縄行くんだ☆」
突然の黒田の発言に私は目を丸める。
「…あ…え?雑誌の??」
そう!とまたアップルパイを食べ、微笑む黒田。
仕事の話をされると距離を感じる…私は言葉が見つからなかった。
「お土産…買ってきてもいい?」
やはり覗き込むように黒田が私に問い掛けた。

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