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恋愛日記
恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 2

「私ですか?…」
「遥美!?」
女の子が名前を言おうとすると、またもや入り口の方から声がした。見ると、彰と理彩が手をつないで戻ってきた。
「お兄ちゃん♪」
遥美と呼ばれた少女は、ぱぁっと笑顔になる。しかし彰と理彩の手に気付くと、また不機嫌そうな顔をした。
「彰妹いたんだ〜」
理彩がにこっと笑うが、少女はつーんと顔をそらした。
「何しにきたんだよ?」
遥美に顔を背けられ、怒りで眉間にしわを寄せる理彩から手を離し彰は遥美に近寄っていった。
「だってぇ〜今日がお兄ちゃんと帰るの最後なんだもん…教室で待っててもお兄ちゃん来ないから心配したんだよぉ!」
「だからってなぁ〜〜!わざわざここまで来るなよ!」
「何ぃ〜?お兄ちゃんが来ないからいけないんでしょ!!」

しばらく兄弟喧嘩(?)は続いてちょっとほっとかれている理彩は不機嫌そうだ。
「彰!!じゃあうちもう綾と帰るから!!バイバイ!」
「…うんごめんね?今日こいつ送っていく約束したから!!あ!帰ったらメールするわ」
「うん!わかったぁじゃあねぇ〜♪」
「そういえば遥美ちゃん…だっけ?どうして一年生が私の事知ってるの?」

「えへへ〜…それは内緒です♪」
ん?まぁいっか
「あや〜?いこ〜よ〜?」
理彩が手をまねいて待っていた。
「うん!じゃあ彰と遥美ちゃんばいばい☆」

『さよ〜なら〜♪』




―――帰り道。


「そぉ〜いえば〜!!二人で何やってたの〜?」
私はニヤニヤしながら聞いてみた。
理彩がニヤニヤしながら立ち止まるとじゃぁ〜ん☆と自分で効果音を付けて手を見せてきた。
手にはシルバーの可愛らしくシンプルなデザインの指輪がはめられていた。モチロン左手の薬指に…。
「彰の彼女のし・る・し♪」
えへっ☆と笑う理彩に私はご馳走様、とため息を吐く。
「んもーもっと感動してよぉ」
「理彩もっと可愛いのもってるじゃない…あれ付けたら?」
「馬鹿ねー彰から貰ったからうれしいんじゃない!!綾にも早くこの幸せ味わってほしいよ♪」
そう言うと理彩は私の腕をつかんで上機嫌で歩きだす。
「…彼氏いるとそんな幸せなの?」
私はふとそう思い理彩に聞いてみた。すると理彩は振り返って幸せだよ!と笑顔を輝かせる。
「…ふぅん。…私も彼氏つくろうかな…」
私が独り言のような小さな声で呟いたのを理彩は聞き逃さなかった。
「作りなよ!綾もてるからすぐ出来るよ!!」
私の手を取り見つめてくる理彩の目は、星が飛び足してきそうなほど輝いていた。

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