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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 46

「でも、いいよな、敬太は。俺は前途多難だよ」

急にトーンを暗くし、はぁ、と重いため息。
祐介は、そのままトボトボと席に戻っていった。

また、いきなりどうしたんだ。
本当にコロコロ変わるよな、あいつも。
美保に比べれば、まだマシな方だけど。

でも、ため息か……。

そーいや、昨日も「俺はついてない」とか、
ため息ついてたな。

いいよな、敬太っていうくらいじゃ、
やっぱ、恋愛関係で悩んでんのかね。
 
 長い長い、四時間目が終わった。
さて、やっとお昼だ。腹へったな。

「敬太、一緒に食べようぜ」
「あぁ、そうだな」

と、学食にでも行こうとしていると、
ドア付近から、甲高い声が聞こえた。

「敬太くん〜一緒に食べよう」

弁当を手にブラさげた美保と由香が立っていた。
二人は弁当らしい。
クラス中は、由香がいるせいか、騒がしい。

「二人ともお弁当なんだ?」
「うん、それもただのお弁当じゃないんだよ、
由香ちゃんの手作り!」

美保がキャラクターの可愛らしい包みをジャーンと
自慢げに祐介に見せる。

由香の手作り?
いつの間に、作ったんだ?

朝も早く出てったのにな。

「せっかくの誘い、悪いけど、俺たち学食なんだよ」
「学食? あ、大丈夫よ」
「?」
「はい」

由香は、笑顔で見えなかった左側の手を差し出してき
た。
その手には、しっかりと水色の弁当が

って、それ俺が中学の時使ってた…

「あ、ありがとう」

いいのか、受け取って。

「お、それも由香ちゃんの手作り?」
「一応。でも、そんな大した料理はないわよ」
「いやいや、でも、すごいよなぁ〜。よかったな
、敬太」

このこのと肘をつっついてくる。


後で、覚えとけよな。

「じゃ、お邪魔な俺は学食で食べてくっから」

え? ここまで来てそれはないだろ。
と、歩き出した祐介を止めようと思っていると、

「あら、それも心配ご無用よ」

よく見ると、由香の左手には同じような包みが。
引き止めた祐介にハイと渡す。

祐介の分まであったのか。

「えー俺の分? いいの?」
「あ、学食が良かったら、そっちの方でもいいけど」
「とんでもない、有難くご一緒させていただきます」

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