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嘘から始まる恋ゴコロ
恋愛リレー小説 - 青春

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嘘から始まる恋ゴコロ 21

なんで本当の事が言えないのか、自分への嫌悪感と逃げたい気持ちが入り混じって頭がどうにかなりそうだった。
夏休みまであと一週間。矢口くんを傷付けない方法なんてない事に今更ながら気付いてしまった。本当に今更。


 『渚〜。放課後差し入れ持って家行くから、おとなしく寝ときなよ!』亜紀のメールに気付いたとき、すでに時計の針は12時を指していた。昨日、篠崎さんとの話から考えすぎで頭がパンク。熱が38度も出てしまったのだ。
こんなとき熱なんて出す弱い自分が嫌になる。きっと篠崎さんからは逃げたと思われちゃうよね。
お母さんの作ってくれたお粥をたいらげ、薬飲んだり寝たりしてるうちに、「亜紀ちゃん来たわよ〜!」お母さんの声が響いた。


「渚!思ったより顔色良くてよかった〜」亜紀は買ってきたヨーグルトやプリンを袋から取り出す。「うん。おかげ様でだいぶ熱下がったみたい」寝たおかげか笑顔も出せるらい回復できた。「よかった。やっぱりたまには休みも必要だね〜。最近心休まる日とかなかったでしょ!さっき翼にお見舞い一緒行きたいって言われたけど断ってきたから。今は一人で考えたいんでしょ?」亜紀の笑顔はあったかかった。こんなに色んな人に心配してもらって私は何をしてるんだろう。
「あのね亜紀、私今日ずっと考えてたの。祐に本当の事話すことにする」
「渚がきちんと考えて決めた事なら私も賛成するよ。がんばったねなぎ。」
私は涙がとまらなかった。
 亜紀を玄関まで送ってバイバイし、家に入ろうとしたとき見慣れた人影が道の向こうからこっちに来るのがみえた。

 ― 祐。

 けれど、その姿にいつもの笑顔はなかった。だんだんと近づいてくる。怖かった。でも本当の事話さなきゃ。「あっ、祐あの―」

「ごめん渚!」     祐の声が私の声をかき消す。
「俺、渚にずっと嘘ついてた」
「渚がラブレターを書いた相手が俺じゃないって事、ずっと知ってた。始めから知ってたんだ」
そこで、不意に渚は気づいた。
祐の下腹部がみるみる膨らんでいくことに。
「うぉぉぉぉぉ!」
いきなり祐は渚に覆いかぶさってきた。
熱い肉棒が渚の中にはいってきた。
「い、いたい。」

そう、渚は初めてだったのだ。

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