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episode of valentine
恋愛リレー小説 - 悲恋

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episode of valentine 4





あたしは美容院であれこれ注文するのが苦手。


カットも、
カラーも、
トリートメントも、

どうしたい、とか、
どんなんで、とか、
どれがいい、とか、

わかんない。

だってあたしには専属のスタイリストさんがいたから。


あなたはあたしのスタイリストさんだったから。


美容院でキレイキレイしてもらった後、@番に見せに行きたい相手は誰ですか?

あたしはやっぱり、あなたでした。



久しぶりに会ったけど、

何もかわらず、

いつも通りで。

あなたは絶対に

『会いたい』

なんて言わないし、

『会いたいならお前が来い』

って平気で言うし、

『淋しくなんかなかった』
って言うし、

色々意地っ張りーだけど。
帰り際に

『めんどくせー』

とか言いつつも、

してくれたちゅーは、

優しかったよ。

春になって。

桜が咲いて。

また今年も貴方に出会った季節がやってきました。

冬が終わると、

春がくる。

そんな当たり前のことに、気が付ける自分でありたい。

当たり前の幸せに、
気が付ける自分でありたい。

初めて貴方の彼女になったあの春…。

失ってから気がついたことはあまりに多く、

二度目にあなたと桜を見た春、

もう後悔することはないように願い、

三度目に桜を見た春は、

未来を信じた。

今年もまた桜が咲きます。
貴方は何を想いますか?
今年は誰と見ていますか?



あなたと初めて会ったのは2001年の4月3日だそうです。

だそうです、というのはそんなに意識もせず、気が付いたら一緒にいた。そんな自然な始まり方だったから。

あたしはあなたの親友が好きでした。

かっこいいなぁって思ってて。

あなたたちは免許をとったばかりで。

まだまだ子供な私たちをいろんなところに連れていってくれました。

夜景の見える山だったり、
山の中のお城だったり、

朝日だったり、

桜だったり、

あなたはたくさんのものを私に見せてくれました。

たくさんのものを、私に与えてくれました。




私が好きになったあなたの親友。

実は彼女がいたそうです。
あなたは知ってて、黙ってた。

最後に相談したときに
『実はね…』って話してくれた。

だけど私、そんなにショックじゃなかったの。

だってあなたのこと、好きになり始めていたから。

気が付くと、あなたのことばかり考えていたから。

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