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喧嘩友達
恋愛リレー小説 - 初恋

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喧嘩友達 7

(やっやだぁ・・・紫音と話してる間に校内はなんとか通り過ぎてたけど、こんな暗いの1人で帰るなんて絶対ムリだよぉ 涙)

いつもはこんな遅い時間に帰る事は殆どなく、帰るのが遅くなったとしてもいつも友達と一緒に帰っていた。
明るい時には、葉がサワサワと揺れている音も心地良く聞いているが、こんなに暗い中で聞くと無気味な音としか思えない・・・
「あれー?なんか震えてますよ、咲野のあさん?」
後ろから紫音が馬鹿にしたような言葉をかけるが、のあは目の前に広がる恐ろしさ満点の帰宅路に気を取られてまったく気づかなかった。
「……おーい」
「なっ何?!なんか用っ?!」
ハッとしたようにのあは振り返った。
「いや、そんな状態で本当に一人で帰れるのか?お前」
「だ、大丈夫に決まってるじゃない!じゃっ、じゃあ私帰るからっ!」
早口でまくし立てるようにそう言い残すと、のあは鞄を胸の前で抱えながら恐る恐る歩き出した。
「本当に大丈夫かよ…」
紫音はそんなのあの後ろ姿を呆れたように見つめていたが、暫くするとのあとは反対方向へ歩き出した。
幼い頃からのくされ縁ではあるが、自宅のある方角はまったく逆なのだ。
のあは紫音が歩き出した気配を後ろでに感じて、チラッとだけ振り返ってみる。ひとり余裕で悠々と歩いている姿を見ると何だかムカついてきた。
(何であんな余裕に歩けるのよっ何かむかつく・・・あんな普段人に喧嘩ばっかしふっかけてきてるやつが余裕で歩いてるのに、私がびくびくしながら歩いてるなんて・・・)
のあはそう思うと、少しだけ活力が湧いてきて足取りがさっきより確かなものになった。
周りを木々に囲まれポツポツとある街頭によって僅かに照らされた道を、のあと紫音はそれぞれ自分の家へ帰るために歩いて行った。

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