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喧嘩友達
恋愛リレー小説 - 初恋

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喧嘩友達 5

「へ?アイツ?」
顔の熱りを冷ますかのように、のあは紫音との会話に意識を集中させた。
「……エリだよ。昼休みに二人でどこか行ってただろ?」
「あー……うん、まぁ……」
のあはエリに言われた事を思い出して、曖昧な返事しか返せなかった。

……すっかり忘れてたけど、エリは紫音が好きなんだよね。
しかも協力して、なんて言われちゃったし。
エリの可愛さがあれば、紫音をおとすのなんて簡単だと思うのに……どうしてわざわざ私にあんな事を……?



「ーーーぃ!おぃ!聞いてんのか?!」
「へっ?あ、うん」
紫音の声でのあは我に返る。
「ったく……これだから馬鹿は困るんだよなぁ」
「なっ!馬鹿とは何よ!馬鹿とは!」
「数学の期末テストを、追追追追追追追追試でようやく受かったんだから馬鹿で充分だ」
「あれはちょっとしたミ・ス!」
「どんなミスだよ……」
呆れたように紫音は呟く。
ちなみにのあは数学が大の苦手なのだ。
以前エリに勉強を教えてもらった事もあるが、今だに赤点以外の点数をとったことがない。
「で、結局の所どうなんだよ?」
紫音は逸れかけた話題を修正すべく、再びのあに問いかける。
「……まぁ、色々と」
内容が内容なだけにのあの声音も自然と覇気がなくなっていく。
急に威勢の良さがなくなるのあを訝しがってか、紫音はそれ以上何も聞かなかった。

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