喧嘩友達 4
「…………は?」
のあの言葉に紫音は一瞬硬直したが、すぐさま気を取り直す。
「腰が抜けただぁ?んなことはお前の問題だろーが。そんなの自分で何とかしろ」
紫音はのあを一瞥するだけで、手を差し述べる気配すらなかった。
そんな紫音の様子を見て、どうやらのあは頭に来たらしい。
「なっ!それがか弱い乙女に向かって言う言葉?!」
「だーれがか弱い乙女だって?猛獣の間違いじゃねぇのか?」
軽く鼻で笑いながら、紫音はのあを馬鹿にしたように言った。
「…こまで言わなくったって…っ、私にだって苦手なものくらいあるんだからぁっ!!」
紫音をキッとにらむのあ。
大きな瞳からは涙がこぼれていた。
「(くやしい…っ、なんでここまで言われなきゃいけないのぉっ!?しかもこんなヤツの前で泣いちゃうなんで…っ!)」
ぽろぽろと、とまることなく涙がでてくる。
「そ、そんなに泣く事ないだろ!」
「あ、あたしだって……っ……」
のあは涙を必死に拭うが、涙が止まる気配はなかった。
さすがの紫音もそんな状態ののあを見捨てていく事はできず、溜め息をつくとのあに近付いてきた。
「ほらッ」
紫音は目を逸らしながらものあへ手を差し伸べる。
「ぅゔっ‥ぐすっ‥」
しかしのあは顔を伏せて必死に泣き声を押さえるのみである。
「ぁ゙〜。悪かったって…」
いつも強気なあののあが目の前で泣いている。
紫音の調子は完全に狂ってしまった。
(なんなんだよ…いつもなら絶対泣かねぇでグーパン一つでもくらわしてくるってーのにッ…)
「しょーがねぇなぁッ」
はぁーと大げさにため息をつきながら紫音がのあの目の前まで来たかと思うと―‥
―ふゎっ
イキナリ紫苑がぉんぶする。「ゃだッ。おろしてょっ!!重いからッ泣」「ばぁか。こんなんで重いとか言ってんじゃねーよ」 へっ……?? 涙ゎ出なくなったけどみるみる顔が赤くなった。(暗くてよかったぁ)紫苑の髪ゎシャンプーのィィ匂いがした。「なぁ、お前さァィッになんか言われた??」