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〜再会〜
恋愛リレー小説 - 初恋

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〜再会〜 42

今だからこそちやほやされる薊の容姿だが幼い頃は周りと違うと言うだけでからかわれたりしていた。そんなとき簓はニコニコ笑って「生まれつきだから。」とかわせるのだが薊は相手を力でねじ伏せる他にやり方を知らなかった。
今日(こんにち)の薊の性格や考え方はその時の影響が大きいと言えるだろう。そんな見た目で判断される事の辛さを一番知っている薊だからこそ恋歌は薊がそんな発言をした事が信じられなかったのだ。何の目的もなく薊がそんな事言うはずない。そう思っての忠告だったのに─…
『あんな目であたしを見るなんて…』
あんな‥"痛そう"な目で…。
薊の目を思い出して恋歌の心もまた、ぎゅうっと痛んだ。
・・・その頃薊は恋歌の顔を見るに耐えかね走った、とにかく後ろを振り返らずに家まで走り続けていた。
「薊っ!!」
そんな薊にふいに声が掛かる。薊が足を止め振り替えるとそこにはふんわり巻き毛の可愛らしい声の主、亜莉朱が立っていた。
「……お前か‥」
力無く、しかし冷たく薊はいったがそれに気付いているのかそれとも気付かないフリをしているのか亜莉朱は気にも止めずにさらに一歩薊に近寄る。
「ソレはひどいんじゃない?自分の彼女に向かってぇ」
【彼女】と言う言葉に薊の眉間にピクリとしわが寄る。
‥はぁっと溜め息をつき薊は亜莉朱に向き合うと口を開く。
「亜莉朱‥俺は…「【彼女】だよね?アタシは薊の」
薊が言い終わる前に言葉を遮る亜莉朱。
「…っ」
そんな亜莉朱の言動に一瞬言葉を失う薊。その一瞬を逃さず亜莉朱は続ける。
「ずっとアタシの側に居てくれるんだよね?【あの時】薊そう言ってくれたよね?」

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