PiPi's World 投稿小説

サクラ
恋愛リレー小説 - 初恋

の最初へ
 3
 5
の最後へ

サクラ 5

辺りを見回すと懐かしい写真が飾ってあった。あたしと海里が笑顔で写っている写真。「それ昨日片付けてたら見つけたんだ。」後ろを見ると海里がいた。「でも、飾ったりしたら彼女嫌がるんじゃない?」内心は嬉しかった。「話しってのが、彼女の事なんだよなぁ」海里は眉毛をよせて顔しかめている。
「何よ、ケンカ?」あたしはドキドキしていた。「ケンカならまだいいんだけどな〜」どういうこと?
「実は俺他に好きな人がいるのに彼女と付き合ったんだ…」何それ?海里ってそんないい加減な人だったけ?「良くないよ、そういうの…」
「うん、でも彼女と付き合ったらその人の事忘れられると思ったんだ。」海里は下を向いて落ち込んでいる。「でも何で彼女にばれたの?」
「俺が彼女に話したんだ」海里は遠くを見つめて何か考えているように見えた。「海里バカじゃない?そんな事言ったら彼女、傷つくのわかるでしょう?」あたしは呆れた。でも、他の好きな人が誰なのか気になった。
しばらく海里は黙っていた。「それで海里はどうしたいの?」
また沈黙…。時計を見るともう午後10時を回っていた。「海里あたし帰るわ」あたしは立ち上がりドアに手をかけて部屋を出ようとした。「待って!」海里はあたしの腕を掴んで抱き寄せてきた。「やだ何するの!?」わたしは驚き、海里から離れようとした。
「いや!!止めてよ!」振り払おうとした手が海里の頬に当たってしまった。海里はあたしから離れその場に座った。「ご、ごめ…」あたしは自分が今してしまった事に後悔した。海里は黙ったまま。あたしは階段を駆け下り玄関に向かった。靴を履いて後ろを振り返ってみても海里は追い掛けて来なかった…。
あたしは次の日ずっと部屋に閉じこもって昨日の事を考えていた。海里、傷ついたよね…。顔合わせられない…。悶々と考えているうちにもう日が暮れた。
やっと重い腰を上げて学校に向かった。「ぁ〜昨日はやっぱりまずかったかな〜」と思いながらもどんどん学校に近づく。学校につくとまだ海里は来ていないみたいだった。ちょっと安心した。

SNSでこの小説を紹介

初恋の他のリレー小説

こちらから小説を探す