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サクラ
恋愛リレー小説 - 初恋

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サクラ 3

「だーかーら、俺はもっと佐々木と仲良くなりたいの」「あたし興味ない」やめてよ邪魔「まっいっか、これ俺のアドレス。家に着いたらメールしてね」話がわからない人…。そしてあたしは電車をおりた。あたしは海里の事しか頭になかったから、藤永の強引さに腹を立てた。
…─屋上
「佐々木?」はっとすると、心配そうにあたしの顔覗く藤永がいた。
「あ、ごめん」あたしは我に返った。「それよりさ、あれ見て見ろよ」
藤永が指さす方には、海里と髪が長い小柄な女の子がお弁当を食べていた。
「あの子かー、何かお似合いじゃん」
「…。」
「佐々木?」
涙が流れ出た。
「大丈夫か?」
「ごめん、先行く…」
あたしは階段を駆け降りると、トイレへ向かった。声を押し殺して泣いた。あたしはどうすればいいかわからなくなっていた。
…─放課後
あたしは校門を出ようとしていた。「莉子?」 「!?」
そこには昼間屋上から見た女の子と海里がいた。「気を付けて帰れよ」
優しい言葉が心に染みた。
「ありがとう、彼女と仲良くね」笑って言えたはず。あたしは逃げるようにその場を離れた。

…ー公園
あたしはブランコに乗って気持ちを落ち着かせていた。足元には小さい子が遊んだあとの砂の山があった。
砂の山はあっというまに崩れた。砂の山と同じように海里に対する思いも崩してなくなればいいのに…。
「佐々木?ちょっといい?」次の日の放課後あたしは、藤永に呼ばれた。「何よ」昨日の事を思い出し気まずかった。

藤永に連れて来られたのは中庭だった。二人はベンチに座るとしばらく、無言だった。
「俺、佐々木の気持ち気づいたよ。」
「え?」
「佐々木、上田の事好きなんだろ?」
嘘をつこうと思った。「好きじゃない」
すると藤永は立ち上がりあたしの目の前に移動するとそこにしゃがんで、「じゃあ何であの時泣いたんだ?」
何も言えなくなった。

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