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仮面少年の恋
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仮面少年の恋 17

「ナンデスカ…?」
片言なのは、外人ぶっているだけで…。
「行くぞ」
首ねっこを掴まれ、引きずられていく…あぁ、僕の意見は無視なんですね…目から流れついるのは涙ではない、心の汗だ…。
「渋谷君」
もう駄目だ…と覚悟にした直後、天の声が…あぁ、西島さんが天使に見えるよ…外見だけみれば可愛いから、更に天使度が増した。
「ちょっと手伝って欲しいんだけど」
片手にプリントをちらつかせる。委員会の仕事かなにかだろうか。
「借りてもいいかしら?」
西島さんは僕にではなくゴリ男にむかい、ニコリと笑いかける。…僕の意思はないんかい。

ゴリ男は西島さんの顔をチラリと見たあと、思いきり舌打ちをした。そして、ゴリ男は僕の首から手を離す…えっ!?
―ドスンッ!!
また、この展開…もう嫌ー。
ゴリ男は不機嫌な表情のまま、教室をでていってしまった。
「あいたたた…」
腰をさすりながら立ち上がると西島さんの苦笑が目に入った。
「気に入られたみたいね」
「…そのようだね」
制服についた汚れを払ってから、西島さんと向かい合う。
「助けてくれてありがとう」
「どういたしまして」
やっぱり可愛い………じゃなくて!!僕には優梨姉が…あ、忘れるところだった!早く優梨姉の元に行かなきゃ!

いざ優梨姉の元へと走りだそうとすると、体が動かない・・・


何かに捕まれてる。


足が空中をスカスカと空振り浮いてる感じ、後ろを見ると西島さんが僕の制服を捕まえていた。
「手伝ってって言ったでしょ?」
あぁ…あれは助けてくれるための嘘かと思ってた。
「…今日は駄目なんだ」
「理由は?簡潔にね」
「用事」
おぉ、なんて簡潔なんだ。僕って凄い。
一人で感動してると冷たい空気が…西島さんが冷ややかに睨んでいる。
なっ…なんで!?

西島さんは、こめかみのあたりに手を当てて深々と溜め息をつく。
「…好太?」
優梨姉、ナァーイスタイミング!!西島さんは、パッと優等生面になる。
「優梨先輩、こんにちは」
「あら…梢ちゃん」
助かったー…優梨姉が事情を話してくれれば、なんとかなるだろう。…情けないって?それは言わない約束。
「渋谷君と約束ですか?」
「うん。好太の昔の写真がでてきてね」
ニコニコしながら話だす優梨姉。
「そうだ!梢ちゃんも見る?」
って、なんですとぉ!?
「え?いいんですか…?」
ちょ…ちょっと!?なんで!?せっかく久しぶりに二人っきりで過ごせると密かに喜んでたのに…。

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