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仮面少年の恋
恋愛リレー小説 - 初恋

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仮面少年の恋 16

「…別に」
ゴリ男は不敵な笑みを浮かべている。むっ…いちいちムカつく奴だなぁ。
「あのさ、聞いていい?」
沈黙になるのも嫌だったので僕は頭の中にあった疑問をぶつけることにした。
「あん?」
「なんで突然僕に絡んできたの?」
「…お前に興味があるから」
サァーっと血の気が引いていくのを感じた。い、いるんだ、本当に。
「僕…そっちの趣味は」
「…」
無言でギロリと睨んでくるゴリ男。どうやらそういう意味ではなかったようだ。僕はそっと胸をなでおろした。

「…お前は新しい玩具だ」安心したのも束の間。ゴリ男は、とんでもない言葉を吐いた。
「…嫌だよ」
「お前に拒否権はない」
「なんだよ、それ!」
「…逆らうのか?」
凄い気迫だ。冷や汗がじわりとにじみでてくる。うぅ…力で勝てる相手じゃない。がっくりとうなだれている僕をみて、了承と受け取ったのかゴリ男が言葉を続ける。
「お前にもメリットはある、安心しろ」
「…メリット?」
ゴリ男の言葉を弱々しく聞き返す。もう…メリットなんて言われてもシャンプーしか思い付かないよ。
「俺がお前を強くしてやる」

えっ?ゴリ男が強くしてくれる?




「おら!しっかりやれや!」
竹刀でボカスカ殴られる僕・・・



妄想終了。
僕絶対死ぬ・・・
僕の妄想を裏付けるようにゴリ男の目には妖しい光が宿っている。
「玩具は丈夫じゃないと面白くないからな」
今の状況から考えてゴリ男の玩具になるのは免れないだろう…具体的にどんなことが起こるのか…さきほど考えたことが頭をよぎり思わず身震いをした。…まぁ、それはともかく、強くなれる、その言葉は魅力的だった。強くなれる…変われるのだ。

ただ…チラリとゴリ男に目をやる。
ただ、強くなる前に死んじゃうかもしれないけど…。

「おい、行くぞ」
「へ?」
放課後、優梨姉のところへ向かうため、いそいそと帰る準備をしていた僕は、口をポカンと開けたまま、固まってしまった。
「行くって…?」
「黙ってついてこい」
「む、無理!今日は、予定が…あるんだ」
最後の方に声が小さくなっていったのは、ゴリ男が怖かったからじゃない…断じて違う。と、自分に言い聞かせつつゴリ男に視線を向ける。…目を合わせないのは、親に他人を直視しすぎるのは失礼だと習ったからであって、決して怖いのでは…。
「おい」
……びくっ!!

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