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仮面少年の恋
恋愛リレー小説 - 初恋

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仮面少年の恋 14

「まぁそうだけど・・・こんな起こし方ないよ・・・」
少し痛い鼻を擦りながら西島さんに反論する。

「どう接していいかわからなかったのよ」
そのわりには、随分、横柄な態度だったけど…という文句をなんとか抑える。
「体育、行ってくる」

欠伸まじりに廊下を歩く。体育、サボっちゃおうかなぁ…
「渋谷く〜ん」
…誰だっけ、この子達。多分…同じクラス。いつも一緒にいる三人組。
リーダー格の女の子が一歩近付く。ツンと鼻につく香水の匂いにケバい顔。
「ねぇねぇ、どうして急に髪切ったのぉ?」
「えと…」
「イメチェン?」
僕が答える前に、いつもリーダーにくっついている金魚のフンのような女の子が喋り出す。あまったるい喋り方が気持悪い。
「まぁ、そんな感じ」

「全然いいよ!前はなんか暗くてオタク〜って感じだったもん」
あっけらかんにいいはなったのは、細長くてつり目の女の子。
「アハハ、失礼だよー」
凄いテンション…ついていけない。僕はひきつった笑みを顔に張り付かせたまま、固まっていた。
人付き合いってやっぱ苦手だなぁ…
「あの、僕、体育だから」
女の子達のお喋りを遮るように言葉を挟み、そそくさとその場を後にした。
それにしても今日はよく喋っている。
全く喋らない日だってあるのに。
ちゃんと変われてる…ってことだよな?

「何、つったってんだよ」
…さっきの男だ。もう着替えをすませたのか体操着。それにしても、高校生らしからぬがっしりした体格、顔も怖いし…なにかに似てる………あ、ゴリラだ。
「いや、今から…」
「おら、行くぞ」
首ねっこを掴まれて、まるで猫のような扱い。
「ちょ…僕、まだ、着替え…」
「歩きながらしろ」
「…無理!!」
「人間なんでもやれば出来る」
「出来るかぁ!!」
僕の叫びも虚しく、ゴリ男に引っ張られ体育館まで連れていかれた。
体育館までつくと、当然のように手の力を抜かれる。重力に逆らいきれず、僕の体は床に叩き付けられる。
「…痛〜〜〜!!」

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