〜再会〜 64
それを聞いて恋歌はサーッと血の気が引くのを感じた。
ぶっとばす。
薊が言うと全く冗談に聞こえない。
というか性格を考えれば薊ならやりかねない。
「まっ!まあでも兄ちゃんが薊に話してくれたからあたし達お互い素直になれた様なもんだし!
それに兄ちゃんの言ってた事もあながち間違ってないし…」
あわててフォローにまわったつもりの恋歌だったがどうやらフォローになってなかったらしい。
「はあ?!
そういえばお前もさっき兄貴の言う通りだみたいなこと言ってたよな!」
そう言って薊が恋歌の肩にぐっと手を置いて目が合うように距離をとる。
「え…。
だってそれは…」
今更失言に気づいても時既に遅く。
ものすごい剣幕で問いつめられて、恋歌の視線は宙を泳いだ。
「"だって"なんなんだよ?!
」
「う…うるさいなーもう!
だって事実じゃん!
おっきい声ださないでよねっ!」
ここまできたらもうしょうがない。
恋歌は開き直るとぷいっと薊から顔を逸らした。
「…っとに素直じゃねー女だな。」
薊が呆れたように苦笑した。
「そ、それはお互い様でしょっ!?」
恋歌もムキになって言い返す。
そしてそのまま眉間にしわを寄せ、にらみ合うこと数十秒‥。
「………」
「………」
「…………ぷっ!」
「‥おま‥すっごい顔‥!あはは!」
2人同時に吹き出して、まず先に口を開いたのは薊。
「‥!!
ひっどーい!
薊だって目つり上がってたよ!」
そんな薊に負けじと言い返す恋歌がツボにはまったようで、薊は腹を抱えて笑っている。
「やべ‥腹いてー」