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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 985

実際にはいない虫が肌にむらがっている感触や傷がないのに痛みを感じたりする「体感幻覚」や他の人には感じない実際にはない匂いを嗅ぐ「幻臭」など、薬物依存の後遺症としては起きる場合もあることを、藤崎柚希や檜垣隆史は知っている。人が記憶を思い出すときに、温度や湿度などの肌に感じた感覚や味や匂いなども、記憶をよみがえらせるきっかけになることも知っている。
脳の働きによって、錯誤が起きることもあるが、本人がそれは現実ではない妄想だと気づいているか、まったく気づけなくなっているかで進行ぐあいを診断される。隆史が不思議というのは、幽霊の小西さんは肉体はとっくに無く、高坂美和は子供の美和が別人格で自意識がある存在していて、同じ体を一緒に使っていることに、まったく自覚なしだった。
黒崎孝義の幻覚触手には、子供のような人格がある。もしも黒崎孝義が、子供の頃に戻りたいと望んで作り出したものとするなら、触手は男の子のはずなのだ。しかし、触手ちゃんは女の子であることを黒崎孝義に伝えてきた。
檜垣隆史は、本人の願望や身近な人の願望に黒崎孝義が対応するために作り出した妄想ではない可能性があると言った。

「うまく説明できないけど、集団催眠で同じ妄想をみんなで共感していると説明するには、かなり無理があるな、これは」

檜垣隆史は黒崎孝義と同化した触手の姿をした、夢の領域でなら自分の意思で動いたりできるようになったものがいると判断した。
藤崎柚希からは声や会話に必要な言語を学習して、黒崎孝義を触手を変化させてなぶるようなことを触手が学習したのは、鷺原聖華やクライアントの女性たちの知識の影響だろうと黒崎孝義に説明した。

(奇妙な夢をみたり、幻の声で話しかけられなくなるかわりに、触手や他人のみている夢の領域に入る力を失うだろう)

檜垣隆史は「神眼」で黒崎孝義に声ではなく、思念を伝えてみせた。

「えっ、今のは何ですか?」
「テレパシーと言いたいところだが、手品みたいなものだよ」

黒崎孝義は「神眼」使いではなかった。触手ちゃんが成長するために、藤崎柚希以外の女性たちと接触させるように誘導した。触手ちゃんは人間の知識や感情を吸収して成長している。黒崎孝義の能力ではない。触手ちゃんの能力だった。

「触手ちゃん、俺のお友達になってくれないかな?」

隆史は黒崎孝義に話しかけた。

(パパ、お友達ってなに?)

隆史が藤崎柚希のように体にふれていないのに、触手ちゃんに話しかけたことに黒崎孝義は驚いた。

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