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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 983

(あのさ、俺、今は食事中なんだ。そういう話は食事をしてない時にしろ)

声に出さないように気をつけながら、黒崎孝義は脳内の触手に話しかけるつもりで思ってみた。

「え〜、なんで?」

子供みたいな口調だと思いながら、黒崎孝義は苦笑すると、食事中はセックスや排泄などの質問はしないでくれ、料理の味が不味く感じるし落ち着かないと、ゆっくり話しかけるように思い浮かべた。

「ハイセツ?」
「パパがオチンチンから白いやつ出すのも、ハイセツ?」
「よくわからないんだけど」

こいつわかってて言ってやがるな、と黒崎孝義が考えると、触手に思考を読み取られてしまう。

(ウインナー食べ終わるまで、オチンチンとか、女の子が言うな!)

きつめに思いフォークをウインナーに黒崎孝義は突き刺して、口に運んで咀嚼して、急いでごくりと飲み込んだ。

「パパ、女の子はなんで、オチンチンって言ったらダメなの?」

今はとにかく食事に集中すると決めて、黒崎孝義は幻の声を無視することにした。
無視はしているが、なんで女の子がオチンチンと言うと下品に感じるのか、自分から言ったことを黒崎孝義は考えながら食事をするはめになった。

藤崎柚希は黒崎孝義の手を握り、目をじっと見つめながら言った。

「それは男の人が恥ずかしがるから、言ったらダメ」

(パパ、恥ずかしいの?)

「うん、恥ずかしい」

黒崎孝義が口に出して返事をした。
藤崎柚希にも、確かに触手の幻の声が聞こえた。いや、伝わってきた。

「えっ、私がママなの?」

藤崎柚希の脳に触手か潜入したことで、触手に中途半端な知恵がついたらしい。触手は藤崎柚希をママと呼んだ。

「寝てると夢のなかでイタズラしてくるようになって、安眠妨害をされてる」

(でも、パパ、気持ちいいんでしょ?)

「ママ、なんとか言ってくれ!」

黒崎孝義が、藤崎柚希をすがるような目で見つめて言った。
藤崎柚希は、どうやら触手にはパパと遊びたいのと、気持ちいいことをしてあげたいという気持ちがある気がした。
悪気はまったくないらしい。
「どうしてパパを気持ちよくしてあげたいと思ったのかな?」

(パパは白いの出して気持ちよくなりたいのに、がまんしてるから)

「そうなの?」

藤崎柚希が、黒崎孝義に首をかしげて質問した。

「我慢してるわけじゃない。たしかにクライアントの人たちはやらしいと思うし色気もあるけど、俺はセックスしたいわけじゃない!」

黒崎孝義は、脳内の触手と藤崎柚希にあわてて言った。

「欲求不満なわけじゃないの?」

藤崎柚希は黒崎孝義に言った。
幻覚触手で黒崎孝義がセラピーらしいことをしているらしい話は先日、檜垣隆史から聞いた。

藤崎柚希は黒崎孝義のリビドーが、触手の幻覚や幻聴を作り出していると考えていた。
ドラッグを使用して陶酔することは、自意識を忘れて離れた状態、つまり心の死の無我を擬似的に作り出すことである。射精した瞬間の絶頂の快感は、一瞬の擬似的な心の死。
死への情動は、生への衝動であるリビドーと同時にあらわれる。

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