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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 973

この優しい小太りの紳士に、鷺原聖華は父親には話せない黒崎孝義との恋の相談をしてみることにした。
脅迫されたわけではなく、自主的に聖華が富裕層向けのクラブを組織したこと。聖華の調べたところでは、黒崎孝義はつきあっていた同棲相手のカウンセラーのヒモを止めて、浮浪者になっている境遇になっていること。聖華は黒崎孝義に恋をしていて、黒崎孝義を自分にふりむかせたいことなどを熱く語った。

「檜垣様、私と黒崎孝義の恋のキューピットになってくれますか?」
「黒崎孝義に会ってみないと、なんとも返事ができない相談だ。それにカウンセラーの女性とも会って事情を聞いてみたい」
「公平に、というわけですね」
「恋は戦争、愛情が強い人が勝つ」

隆史はこうして、黒崎孝義と会う時は鷺原聖華に協力してくれるように頼んで、家庭訪問を終えた。

(政略結婚なんて、今は恋愛の時代だ。鷺原聖華も、結婚する相手を親に決められるのは嫌なんだろうな)

隆史はそう考えながら、聖華から聞き出したカウンセラーの藤崎柚希の連絡先にタクシーの後部座席に乗り込んで、すぐに電話をかけた。

聖華の父親の鷺原征一郎(さぎはらせいいちろう)は、檜垣隆史に一人娘の聖華を差し出すのも投資と考えている。もちろん、檜垣隆史が貧しい暮らしに陥る時は、日本という国が経済的に破綻した時であり、聖華が困窮するようなら檜垣隆史と別れて、移住している自分の元へ連れ戻せばいいと考えている。
リスクは少なく、ハイリターンと考えるのは、檜垣家の財力や権力を利用しようとしてきた過去の権力者たちと、考えかたとしては何も変わっていなかった。

「黒崎孝義氏について少しお話を聞かせていただけたらと思いまして、ええ、ありがとうございます。そちらの都合のいい日時を教えていただけたら、こちらは合わせますので、では、失礼しました」

隆史は通話を終えて、そのまま銀座の高級クラブ「パンドラ」の寮がわりのマンションへ向かった。檜垣隆史と通話を終えたカウンセラーの藤崎柚希は少し不安になった。

(う〜ん、あの人、なんか問題を起こしてなければいいけど。スリップとかしてないかしら)

スリップとは、依存癖がある人が生活にリスクがある依存行動を止めていたのに、再び依存癖が再発することである。黒崎孝義の場合は、違法ドラッグへの依存癖の再発の心配がある。カウンセラーの柚希が、黒崎孝義と同棲したいのは、再発を心配しているということも大きかった。
檜垣隆史は、元天満教の教祖の北川天がフランス人化学者に開発させた合成ドラッグ「天使の涙」の依存治療の特効薬を、市販のラムネ菓子として流通させている。
カウンセラーという女性精神科医の藤崎柚希と檜垣隆史は、こうしてつながることになった。
患者を救いたいという気持ちでは、このふたりは共通した情熱を持っている。

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