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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 971


「そうですね。私の好きなケーキを父が檜垣様に伝えたのですか?」
「鷺原家のお嬢様が訪れてよく召し上がっているスイーツを知っているパティシエはいないか、日本スイーツ協会の代表理事に問い合わせただけです。ふふっ、家庭訪問と言ったのに、貴女の御父上はどうやら誤解なされたようだ」
応接間へ来た鷺原家のメイドが二人がかりで、隆史と聖華の前に緊張しながらケーキを並べた。

「檜垣様は、お飲みものは何がよろしいですか?」
「ミルクティでお願いします」
「あら、私と同じでよろしかったのですか?」
「このケーキは市販のものよりも、貴女の好みにされている。たぶん、ミルクティに合うようにね」
「ケーキを見て、特製だとわかった方は初めてです。日本スイーツ協会の代表理事の方はケーキが特製なことも檜垣様に伝えたのですか?」
「店にケーキを食べに行ったんですよ。だから、見ればわかります」

聖華は、檜垣隆史が薬を作ることを知らない。小首をかしげて考えながら、ケーキを見た。

「食べてみなければ、私にはわかりません。檜垣様は、かなりケーキがお好きなんですね」
「ええ、大好きですよ。あっ、どうもありがとう」

紅茶をティーカップに注いで、聖華と同じ量のミルクを入れたメイドに、隆史は声をかけた。二人の会話を聞いて、メイドがミルクティを同じ味になるように、わざわざ頼まなくても気配りして対応してくれたからである。

「気が利くパーラーメイドですね」
「檜垣様、どうして彼女がパーラーメイドだと?」
「手がきれいだからね」

隆史がメイドに声をかけたのも、接客専門のメイドのパーラーメイドと見抜いたのも聖華は感心した。
日本人の裕福層の人たちの邸宅へ、聖華がお茶会に招かれて、その場にメイドがいても接客専門のパーラーメイドではなかった。

「檜垣様のところには、パーラーメイドがいらっしゃるのですね」

隆史は微笑して聖華にうなずいた。
隆史の邸宅にはメイド服を着た愛人がふたりいるだけなのだが。

聖華はクラブ会員でも、会費を多めに払った裕福層の女性たちをお茶会に招いたことがあるが、隆史のようにケーキと飲み物を合わせようとした女性たちは、誰もいなかった。

(たしなみがわかっている檜垣様のような方も、日本にはおられたのですね)

「御父上は、私が貴女を見初めて邸宅へ会いに来たものと誤解なさったようだ」

ケーキを食べ終えた隆史が言った。
鷺原家の父親は隆史の愛人として聖華が檜垣家のハーレムに加われば、必ずその美貌と器量から他の愛人たちより寵愛されると思っていた。
「御父上には、よろしくお伝え下さい、聖華お嬢様。さて、催眠クラブとセラピストの黒崎氏について話を聞きに来たんだけど、詳しく話してくれるかな?」

隆史はそれまでと同じやわらかな人あたりの良い微笑を浮かべながら、聖華に言った。

「噂っていうのは、けっこう簡単に広まってしまうものなんだ」

ハッとした表情で聖華は隆史を見つめてから、ふぅと大きく息を吐き出した。

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