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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 955

柚希は嫌がって暴れたりしない。
いや、できなかった。
柚希は今、強烈な幻覚を感じている。この男の背中が裂けて、その裂け目からぞわぞわと這い出した触手が、柚希の爪先から顔を伏せている枕を持つ手、腕や脇の下、耳などを這いまわり、脚や上腕に絡みついているのを感じている。触手は柚希の手の小指ほどの太さから、それよりも細い。ぬらぬらとしている感触があり、しかし、ゴムのようなしっかりとした弾力がある。
柚希は枕から顔を上げずに、拘束しながら弄ぶ異様な感触に耐えている。うかつに顔をずらし、目を開けて触手を見てしまったら、今よりもはっきりと、触手を感じてしまう。
何より恐ろしいのは、触手が肌にぬるりと溶け込むように侵入してくること。そうなると、柚希は骨まで這いまわる感触や、胃や腸などの内臓まで弄られる感触が与えられてしまう。
犯されながら子宮を体内からも圧迫される感覚は、牡の滾りが注ぎ込まれるまで続けられる。
膣洞をペニスで擦られ、さらに子宮を内側から揺さぶられる快感は、異様な感覚だが、慣れさせられてしまった今では、柚希に甘い鼻声で甘えて懇願させるには充分すぎるものなのである。

「しゅごい……のぉっ……イクイクイクっ、んはああぁっ!」

自分でも信じられない淫らな媚びた声を上げて、気絶しそうな絶頂感が終わり、脱力している時には、触手はすっかり消えている。
柚希は触手が幻覚だとわかっている。幻覚に凌辱され続ければ、いつか現実感が壊されてしまうのではないかと、柚希はとても恐ろしくなる。
精神科の知識がある分だけ、どんなに危険な行為をされているのか柚希にはわかる。幻覚を感じさせられているのは、催眠なのではないかと考えたことがある。

ドイツのユダヤ人のアウシュヴィッツ捕虜収容所では、死が蔓延した。収容所の仕事は何時に始まり何時に終わるかがわからない。何より自分たちが、いつ収容所から解放されるかすらも。ガス室に送り込まれ処刑されるしか解放される方法がわからない。無気力となり衰弱して死亡する者がたくさんいた。
ある時に、クリスマスに連合軍がアウシュヴィッツに総攻撃をかけ我々は解放される、という情報が捕虜に秘密裏に広がった。その事がきっかけで収容所では、衰弱死する者は減った。希望は、怯えきった者たちを生きる気力を支えた。ところが、クリスマスを過ぎても戦況は何一つ変わらなかった。それがきっかけで衰弱者の人数は急増した。
それは偽情報を与え、それが嘘だとわかり落胆して絶望すると、囚人はどれほど死亡するのかを観察する実験だった。

期待と絶望。
柚希はこの男とのセックスに快感があると期待していて、もしも与えられなかったとしたら、どれたけ深い絶望感にとらわれるかを容易に想像できる。

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