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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 952

ひよこは哲学や思想が獲得してきたテオリア、見ることで最初の関係性を知る。そこから親鶏を模倣することで走りまわり、地をついばむ。理想とする規範を自らの受け入れ、内省を実践する。
ひよこの身体的変化が止まる時、差異/C鶏となることで、差異Aと差異Cの切断された生がつながることを証明する。そして、差異/C鶏は最も本能的なコミュニケーションであり、また暴力でもある交わりのあと、卵を産み出す。
フロイトは、心の欲動は、早期の状態を回復しようとする強迫であるとして、一切の生命体は最終的に死を目的としているのではないかと考えた。フロイト自身は決して自論を経験的事実として真理であるとは主張しなかった。このことを忘れて、フロイトが心の真理を解き明かしていると捉えてしまうと、大きな独断に陥ってしまう。

「生命は、発展のすべての迂回路を経ながら、生命体がかつて捨て去った状態に復帰しようと努力しているに違いない」

このように医師フロイトが記している。鶏の性的な交わりは、鶏から卵に復帰する努力ともとらえることができる。
だが、鶏がひよこが変化し続けたように卵へ変化して復帰することはできない。サディズム、新たな生命を殻に包み、保護すると同時に閉じ込めて産み出す倒錯が発生する。
差異A/卵にはマゾヒズム、差異C/鶏にはサディズムがある。
差異B/ひよこは、ただ見る、そして模倣する。
差異A/卵から差異C/鶏へと停滞することなく生きて変化し続けること。
「卵が先か、鶏が先か」ということを定めようとする質問は、差異B/ひよこという存在が、どのように他者と自分の存在を認識して、集団の中で実践的に行動することが行われるか、また差異から差異へ変化し続けるのかということを思考から切り離してしまう理論的な暴力の行使でもある。
変化し続けることを、理論はとらえきれない。もしも真理があるとすれば、生きるために絶えず差異から差異へ変化し続けていることである。
不変の真理を求めてきた哲学や思想は、関係性や状況の中で絶えず変化し続けていくことが生きること、不変な差異に止まってはいられないので、不変の真理はあり得ないということに差異B/ひよこから知ることになる。
数字の8を真横に転倒させてみれば無限大の記号となるように、無限大の記号の線が交わるところが、差異B/ひよこといえる。そして変化は循環して差異A/卵、差異B/ひよこ、差異C/鶏への差異から差異への変化を、理不尽な死や絶滅という切断が発生しない限り変化の運動を繰り返していく。
卵の中で発生する突然変異の変化も、変化の新たな差異D/ひよこに似たひよこではないものという生命の変化としてあらわれる。
暴力とは差異から差異への変化を、理不尽な死や絶滅によって停止させようとする欲望の力であるだろう。

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