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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 950

なぜ「卵が先か、鶏が先か」という質問が、多くの人たちに興味を持たれて議論されてきたのか。
先と後という関係性で整理して考える時に、優劣を判断するという意味をふくめて考えられたからだった。
先にあるものがあったから、後のものがある。先にあったものが無くなると、後にあるものはやがて元が無くなったら、作られなくなって無くなるから、最初のものは大事なものという考えがある。
哲学や思想を愛した人たちが、この子供がなにげなく親に質問してみたような質問「卵が先か、鶏が先か」に、はまってしまったのか。
哲学や思想のはじまりは、世界の法則とか絶対に変わらない普遍的な真理というのがあるはずだから、知りたいということから始まった。
テオリア。「見ること」「観照」「観想」を意味するギリシア語。英語のtheory(法則,理論)はこの言葉が由来になっている。
イデアという自分の外側にあって超越的なものがあって、それが世界。よく見たり、観察してみたり、あれこれ想像してみると、法則とか性質がわかる。イデア界から真理、ずっと変わらないものを発見しようと考えた。
世界とか神ってなんだろうという超越的なものを考えてみたら、それは真理、つまりずっと変わらない法則があって、それを知っていれば、安全で快適に生きられそうという生存戦略だったわけだ。理屈はどうあれ、こういう真理=神の摂理という法則があるから、こうすれば安全とか危険とか調べてみたり、考えてみたことから始まる。
卵が先か、鶏が先か。子供が質問したとしたら、どっちが先か後かはなくて、同時に在る世界なんだよとブッタなら言って、質問した子供を、かなり困惑させてしまうにちがいない。
縁起。他との関係が縁となって生起するということ。全ての現象は条件が相互に関係しあって成立しているもので、独立自存のものではない。
鶏がいるということは卵があった。卵があるということは産んだ鶏がいた。差異A/卵と差異C/鶏がどっちも同時に存在している。卵=鶏、鶏=卵。
キリスト教の聖職者は、もちろん神が創造した鶏が産んだ卵だから鶏が先と答える。科学者もまた、卵の殻のたんぱく質は、雌鳥の子宮菅で作られるから鶏が先と答える。インドの創世神話には、ブラフマーンダ(梵天の卵)から世界は創造されたので卵が先と教えるだろう。進化論を考える研究者は、鶏っぽい鳥が産んだ卵のなかで突然変異で鶏に進化したので、子供に卵と答える。
どんな答えでも、質問した子供は大人が答えてくれたことがうれしいので、どちらの答えでもよくわからなくても「うん、わかった」と言ってうなずくだろうし、わからないと答えたとしても、にっこりと笑うだろう。

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