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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 949

近接の法則。語られるものが近づきあうことで類似性を感じる。
鶏小屋でわらの中から卵をつかみ出す幼女の手と「おかあさん、あったよ!」という声と、砂浜で捕虜にまともに食糧が配給されず飢えて疲労困憊の少年兵が砂浜でゆっくり砂を払って手を止めて、見つめる発見された地雷。
もしも、幼女が鶏の卵を手からすべらせて落として割ってしまったら、少年兵の目の前の地雷の部品を分解する撤去作業に失敗して炸裂して少年兵の両腕と両手を吹き飛ばしてしまう。
鶏の卵=地雷という近接の連想を引き寄せる手の動き。わらをどけること、砂をどけること。
詩は短いほど言葉が近づきあい、近接の連想で瞬間的に類似性や関連性を感じさせる。ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」は近接の連想でいろいろなものをつなげていく。
弥生時代の鶏の卵をつかんで編んだざるに入れて運んで歩いていく若い乙女の後ろ姿の腰や丸みのあるお尻の揺れ。
地雷の形状のつややかな曲線、収穫される卵の曲線、乙女のなめらかで艶かしさもあるお尻の曲線。近接の連想で卵が割れてしまわないこと、地雷は無事に撤去されることを引き寄せてくれるだろう。
一発の弾丸が総統ヒトラーの後頭部や脳を、卵を落として割れたように吹き飛ばしたことで、ドイツは降伏した。
ルーヴル美術館に展示された「ミロのヴィーナス」の塑像の両腕と両手は、今も失われたままである。
こうしたことも語られてしまえば、近接の連想により、地雷が撤去に失敗して炸裂するだろう。
どのように何を語るのか。
卵が先か、鶏が先かという質問のジレンマは差異C/鶏が差異A/卵の同一性をゆるがす多様性が、比較と近接によって個別性を作り出そうとするほどあらわれてくる。
卵が先か鶏が先か。この質問は、差異A/卵と差異C/鶏の同一性が確定されていて成立する。
そのためには、質問から隠れている差異B/ひよこを見つけ出す必要がある。差異B/ひよこが、卵が孵化して鶏になる過程で歴史的なつながりが語られることで、多様性による個別化の同一性の崩壊から差異A/卵が無数の卵の可能性から差異C/鶏に、過程としてつないでくれる。隠れている差異を見つけること。もうひとつ、先か後かの基準となる、差異B/ひよことは何かということなのだ。

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