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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 947

肉体に苦痛を与えて恐怖で従わせるよりも、常識を再刷り込みして自分の意思で決められた行動を行い続けさせたほうが従順な下僕や部品のような人間ができあがる。自己監視して、他人も監視して、劣化や違反があれば、排斥するように行動する。
自己肯定感が喪失している状態での不安を受けて思考が停止している相手に北川天は、合成ドラッグの天使の涙を与え身体にふれて快感に溺れさせた。行動の規範、実践的な行動が指示されると、それが正しいか誤りか判断できないまま、半分眠ったような催眠状態よりもはっきりとした状態で、相手に言われたことに従う。不安を解消するために。
これを定期的に繰り返された時、常識の再刷り込みが起きる。フロイトは催眠治療から、患者とカウンセリングする対話療法と投薬治療を併用した。しかし、それは洗脳の技術でもあった。

ブッタは社会の中にいれば必ず権力闘争で、常識を刷り込みされた者にされ、承認欲求の不安以上の実践的行動の自動化が行われるのを、王族として見てきた。身分に従って、それぞれの生まれ階級に合わせた常識が与えられて育てられていく。
常識とは、認識したことに対して刷り込みされているパターンを、疑わずに実践的に行動すること。
舞踏には音楽に合わせて動くという常識に従い、人が身体を使い踊りを披露する。誉められたら承認欲求は満たされ、貶され続ければ自己肯定感が失われていく。音楽に合わせて動くということを疑わない。音楽の音色と曲には感情のような曲調があり、それに合わせて表情や踊りの動きを変えられる者は優秀だが、常識に従っていることにはまったく疑いを抱かない。
ブッタは野生の思考に回帰して、自分が常識というものが刷り込みされて生かされていることを自覚した上で、自動化されずに生きるために、行動を自分の意思で自由に選択することが、誰にでもできると信じた。
実際は元の常識のほうが人畜無害だったのではないかと思える行動をする弟子たちを、ブッタは呆れつつも人間への親しみと興味は、死ぬ時まで尽きることはなかった。

性的な欲望の自動化。
緒川翠、水越ユイ、藤井茉莉。
この3人はレズビアンであることもあるからか、権力の欲望の自動化の性欲制御のカラクリになんとなく気づいている。そして、緒川翠だけは、人が自由だと思っている心が操られていることに恐怖と不安を感じていた。
水越ユイはそれをどう女優として利用して楽しもうかと考えていた。官能小説家の藤井茉莉は、水越ユイと出会うまではパターン化されていることにうんざりしていたのである。
民衆の常識外にあらわれる暴力の行動をどのように制御して、法治国家を維持するかというシステムに関連する性的な欲望の自動化は、少子化になりすぎてしまったことで問題が起きていた。
世界規模では少子化で正解だが、少子高齢化のあと、高齢者すらいなくなって国民が減少した日本という国が滅びてもいいのかというところで、いわゆる「滅びの美学」へ憧れを持つ者までいる。

「だから、芸術ってかなり大事なんだって。常識ってことにハッと気づかせてくれるものだからさ」

檜垣隆史は、緒川翠にそう言うのだが、そこは納得が簡単にいかない。たしかに、暴動やテロ活動の事件が毎日発生している国だったら、亡命も考えたくなるとは思う。
とはいえ、第二次世界大戦の終戦直後からカラクリとして、庶民の性的なものへの感性がいじられていたり、競争社会で疲れて自殺者もたくさん出てるのに、軌道修正が難しいから、放置されて、今はなりゆきまかせになっていると聞かされると、大丈夫かしら、と緒川翠は呆れた。

「どの国も自分の国の修正で大変だけど日本は、修正しなくても暴動が起きないのが特徴なんだよ」
「それって、戦争するって政治家が言い出したら、戦争を始めちゃうってことじゃないの?」
「戦争なんかには、金を出す気はないよ。戦争を始めたら、檜垣家の資金を止めれば、きっとすぐに敗戦するよ」
「負けたらとうなるの?」
「他の国になるか、いちおう賠償金を払い続ければ、そのまま他の国にはならないはずだ」

聖戦シャングリ・ラには、緒川翠はくやしいので隆史から聞いた世界の秘密、権力はいろんなかたちで常識を操っているというのも考えて設定した。

(ゲームもいいけど、みんな素敵なを恋しようね!)

緒川翠の熱意は、ちゃんとゲーム制作プロデューサー岡田昴には伝わっている。彼は緒川翠の知らないところで、スポンサーからの課金しないと遊べないゲームにしようとする圧を感じながら、それを進退をかけて抵抗しつつ、緒川翠からの設定案やキャラクターデザインが会社に届くと、わくわくしたり、美しすぎてグラフィックに再現できるかなと、思わずため息が出てしまう。

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