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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 928

欲望だと思っていることは、群れのなかで、自分が必要とされていないと不安という本能につながっているものが多い。生存戦略はそれぞれの時代の社会における権力維持システムと、どのような他人との関わり方を感じる道具や方法があるかで変わっていく。
緒川翠がエロマンガを描き、水越ユイがアダルト映像作品に出演し、藤井茉莉が官能小説を執筆することは、それぞれの生存戦略であり、同時に収入を得る手段となっている。
エロマンガがあると同時に、性愛の性交のシーンを省略したり描かないマンガが人気作品として日本だけでなく海外でも需要があって商品化されている。アダルト映像作品があると同時に、性愛の性行為をその前後のシーンで省略したドラマや映画が放映されている。官能的なシーンを読ませるための官能小説があると同時に、官能的なシーンは書かれない文芸作品が、教材として教科書に採用されている。それらもまた、それぞれの生存戦略の痕跡といえる。
単純に欲は、真っ先にネガティブなイメージを持つ人もいる。できれば持ちたくないもの、なくしたいものと考える人もいる。
欲とは何か悪いものというイメージがあるとすれば、キリスト教や仏教を取り込み解釈を利用して、搾取して財産を蓄積するためのシステムに適した考えかたをするように刷り込まれている。
たとえば意欲。
これも立派な欲だが、なくなった方がいいものではない。

富と貴きとは、これ人の欲するところなり。その道をもってこれを得ざれば、処らざるなり。

(大金も、人が羨むポジションも、道に反して得たものであれば、いずれはなくなってしまう)

思想家老子の「論語」は成果や利益を求める欲望を否定しない。
一方で、老子は欲望について「論語」でどんな言葉を残しているか。

 聖人は腹のためにして、目のためにせず。

(賢者は、目に見えるものではなく、腹の中にあるもののために行動する)

これは食欲を満たすために行動するという意味ではない。目のため、つまり他人に評価される目に見える成果や利益を目的とした行動ではなく、腹のため、個人的に望んだ行動をしかできないということである。

持してこれをみたすは、そのやむるに如かず。揣してこれを鋭くするは、長く保つべからず。金玉の堂に満つるは、これをよく守るなし。

(満ち足りた状態を保ち続けようとするのはやめた方がいい。刃物を鍛えて、鋭くしようとし続けたら、切れ味は保てない。金銀財宝が部屋にいっぱいあったとしたら、それを守り続けることなどできない)

欲望が満たされたと感じる瞬間を維持し続けられたとすれば、意欲は失われていく。しかし、群れのなかで安全を確保できているという安心感は、かりそめの一時的なものでしかない。
欲望とは何か。とりわけ性的な欲望とは何か。それが初めは気持ちいいことがしたいという快感への欲望で、行動させる動機で、空腹だから食べたい、疲れたから眠りたい、つまり空腹や疲労と同じで気持ちいいからという動機で群れよりも個人の欲望としてある。
欲望は強い動機であり、暴力ともつながっている。
生存をおびやかすものに対する恐怖は、暴力への動機となる。

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