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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 921

当時のイギリスはまだ新興国の位置づけの国で、経済先進国であるオランダを追いかける状態で、国内で毛織物製品を製造してオランダへ輸出していた。
毛織物産業の発展とともに羊毛価格も上昇し、イギリスでは牧羊業が大規模に展開されるようになった。

「羊が人間を食う」

こう記したのはイングランドの法律家、思想家、人文主義者で政治・社会を風刺した「ユートピア」の著述で知られるトーマス・モア。彼は大法官までのぼりつめたが、ヘンリー8世により反逆罪で処刑された人物である。まだ王や貴族の権威が強かった、つまり財力があったことがわかる。
トーマス・マンが批評したエンクロージャー運動が農村地帯で開始された。
中世以来の農村では、農民の保有地は細分されるばかりか相互に入り組んでいて混在地制を行っていて、しかも相互の境界も明確ではない。開放耕地である。そこで耕地を統合し、垣根などをめぐらせて個人の持分を明確化させようとしたのがエンクロージャー(囲い込み)の運動だった。
羊を柵を作り中に放して飼う。そのために、明確に土地を区切る必要ができた。この運動は同時に、誰でも自由に薪をとったり家畜を放牧したりできた共有地を廃止させることになった。
貧しい農民たちは生活の基礎の土地を失い、賃金で雇われる以外に生活できない者が続出した。
土地を失った平民階級の失業者たちがごっそりと、都市部や農村に流民のようにやって来た。しかし、キリスト教の教会は失業者にも神への奉仕の「慈善」や贅沢を戒める禁欲の生活を求めた。
さらに飢饉の影響が重なり、フランスでは市民による暴動が勃発した。
このフランス革命以降、キリスト教の清貧を美徳とする倫理と「慈善」のお布施のはシステムは放棄されてしまい、個人的な「欲望」と「消費」が経済のシステムを際限なく駆動していくことになる。
アドルフ・ヒトラーが総統として君臨して、絶対的な王者として国民に「慈善」の奉仕を求める社会システムに戻すには失業者たちを生み出した嗜好品ブームを禁じ、生産のための土地の管理を撤廃して、衣食住を保証する財力が必要。さらに、労働意欲を維持するには、労働力を投資した報酬を個人的に得るシステムを維持しなければならない。
どれだけ労働しても、他の働いていない国民と平等に同じ報酬しか得られないのであれば、たちまち怠け始めるだろう。
こうなれば、戦争を続けて領土を拡大し続けながら「アーリア人」以外を強制労働させるしかない。
藤井茉莉は水越ユイと秘密の関係を持って、自分の創作した作品の登場人物について、あれこれ想像するようになった。次回作はすでに仕上がっていて「美姉妹〜誘惑の家」というタイトルである。
藤井茉莉にとって、水越ユイは芸術の女神ミューズとしての存在となった。
そのまま創作活動を続けて、自分の作品に何も感じなくなったままだったら、藤井茉莉は作品と名前が売れるほど、やりきれなくなって孤独に陥っていた。
作品の登場人物が実際にいるかもしれないと想像できるようになったことで、読者がその登場人物に魅了される気分のようなものを想像できるようになった。
読者との感性のつながりが、藤井茉莉にはできた。執筆を続ける限り、読者とのつながりができた。
藤井茉莉は孤独になる自由を手放して、水越ユイというデビュー作のファンで、今後も読み続けてくれる読者を手に入れた。

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