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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 920

ルター・カルヴァンの広めたプロテスタンティズムは、浪費を敵視し神への奉仕である勤労と収穫物の蓄積を奨励した。
またプロテスタンティズムは、堕落したカトリック教会の権威に依らず、個人が聖書を通じて崇拝する、徹底的に個人主義的な信仰のあり方を提唱した。
神への信仰心を示す勤労の結果として得て蓄積された収穫物は、神の恵みであり浪費されてはならない。その蓄積を教会へ「慈善」として寄付することこそが奨励される。
ルターが聖書に祈りを捧げるように推奨したのは、明らかに金儲けのためにキリスト教を利用する聖職者があらわれたからである。
カトリック神学では、罪とその結果である罰とが区別された。前者は改悛によってゆるされるが、後者は罪がゆるされたのちも、罪の許しを前提に「慈善」によってしか相殺されない。
「慈善」には祈り、断食、献金などがあり、古代教会ではたとえば40日間の断食というように課せられていた。
のちに「慈善」のいわば振替えが考えられた。たとえば、ある日数の断食の代りに特定の祈り、または一定額の献金で罰が相殺されるようになった。
中世にはこの考えがさらに広く解釈されて、あたかも罪を改悛しなくても、献金さえすれば罰が許されるかのように説く説教家まであらわれた。
聖堂建築などを目的とした贖宥状の販売ともいえるような濫用が発生した。
この風潮を見かねたルターが、宗教改革を行うことにしたのである。
このルターの宗教改革の前に、14世紀から15世紀にかけての北イタリア諸都市における商業発展およびルネサンスの展開があり、財力が権威を持つ風潮ができていた。
宗教改革と同時期には、コロンブスのアメリカ大陸発見に端を発するいわゆる大航海時代が始まる。
北イタリアからヨーロッパの商業の中心地がオランダ(ネーデルラント)へ徐々に移行していく。
大航海ルートを経て新大陸から入ってくる物珍しい物品、砂糖、煙草、珈琲や、シルクロードを経て東洋・中東から入ってくる絹、陶磁器、香辛料などが貴族たちの生活や文化を大きく変化させつつあった。貴族たちも、戦争やキリスト教の教会への「慈善」よりも嗜好品の購入や商人の取引への投資へ財産をまわすようになっていった。
この嗜好品のブームが、村人たちの失業を起こさせることになる。
とりわけ被害が大きかった嗜好品ブームが毛織物ブームである。保温性に優れ、見栄えも良い毛織物製品は当時の貴族の間でまたたく間に流行した。
その影響を受けて、16世紀前半のイギリスではオランダ向けの毛織物輸出が急激に増加する。

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