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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 911

群れから疎外されていると人は孤独を感じた時に絶望して、自らを淘汰する。ファシズムは犠牲者の数によって定義されるのではない。どうやって群れから疎外した人を殺すかによって定義される。
自殺という手段を信じて実行するとき、他の生き残る手段を裏切っている。答えは無数にあるが、生か死かというひとつの質問しかできないと思い込ませるファシズム。
相手を滅ぼして、自分が生き残ることが国という群れを存続させる手段という思想が戦争の根底にあるのではない。
根底にあるのは、自分の死が群れを存続させるという、疎外された者を群れから抹殺するための階級闘争から作り出された自己犠牲という考えかたである。
狩猟して定住地を持たずに放浪していた時には、自己犠牲という考えはない。なぜなら、ホモ・サピエンスという種族以外にも、人類が存在しており殺し合っていた。縄文人の時代には、狩猟が得意ではない人を生かすと同時に、それぞれが食糧を分け合って、群れを危機に陥れる存在だと自覚すると、仲間たちのために群れから去る自己犠牲の考えがすでにできていた。また、出産は命の危険をともなうが、それでも命がけで出産に挑んだのは、自己犠牲の考えからであった。
ひとりの相手を愛したから、その人の子供が愛の証として欲しいという考え方はまだなかった。
産めなければ死ぬ。無事に出産して生き残れるか、生きるか死ぬかの選択しか選べない状況で、出産するのは死を覚悟する行為だった。
病にかかって衰弱したり、負傷して群れの中で負担になると感じたら、群れから去るのと同じ、産まなければ群れの仲間の負担になる。無事に出産して元の健康な群れの負担にならない存在に戻ることができるかもしれない、そのまま死ぬかもしれない、このままでは群れの仲間の負担になる。自己犠牲の覚悟で出産に勇敢に挑んだ。
定住地を他の人類と戦っていて持てずに放浪していた時には、メスにとっては妊娠は、死の兆候である。他の人類に犯されたあとでメスがかかる病で、出産すれば生き残れる。産んだ子を育てるようになるのは、人類がほぼホモ・サピエンスという種族となり、群れの定住が始まってからである。
ネアンデルタールやホモ・デルソワといったホモ・サピエンスとは違う種族が存在していて、10万年前には交配があった。本当にわずかだが、ネアンデルタールやホモ・デルソワの遺伝子は現在の人類にも残っている。
ホモ・サピエンスの種族は他の人類種族よりも筋力や体格で小さかったので、まともに戦って勝てずに殺されたり、犯されたりして、逃亡して生き残っていた。
数が増え、また火を使い消化の良い食事をすることで、他の人類種族よりも長い活動時間を手に入れたホモ・サピエンスは、他の人類種族を殺戮して滅ぼすことで、ようやく定住することができるようになった。
10万年前には交配していたが、その後は匂いが違うために見つかれば殺されていたホモ・サピエンスの種族は流浪しながら、子を育て増えていった。セックスすれば仲間が増える。滅びるか、生き残るかの選択は人類種族の統合というファシズムにすでにふくまれていた。
この人類の統合に関わる血で血を洗うような闘争の問題を、檜垣隆史は香水型媚薬を完成させたことで解決している。
文明が生まれる前の闘争の時代に、隆史の香水型媚薬があれば、ホモ・サピエンスは、他の人類種族の遺伝子情報のなかに痕跡を残すだけになっていたかもしれない。フェロモンの違いで他の人類種族と仲間をホモ・サピエンスは認識していた。他の人類種族も同様で、違うフェロモンを持つ者は敵と判断して殺戮していた。10万年前までは、その判断力をどの種族も持ち合わせていなかったので、交配していた。やがて、フェロモンの認識能力で、敵か仲間を判断するようになってしまった。闘争の歴史は、セックスの不一致を起源としている。

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