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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 909

ドラッグには必ず、バットトリップがつきものである。
MDMAであれば恐怖を感じる幻覚や、不安を誘う幻聴、そしてふらりと飛び降りてしまったり、手首などを刃物で切っても平気かもしれないと思い込んだりすることがある。
藤井茉莉は、今は幸せそうな表情をしている。水越ユイに頬を撫でられ、舌を絡ませながらキスをしていると、ぴくっと肩を震わせている。どうやら軽くイッたらしい。
だが、ドラッグの使用が快感の癖になって、使用を続けるほどバットトリップに遭遇する確率は上がってしまう。
大麻などは、初めての使用で体に合うか会わないか、はっきりと分かれやすい。
男性とのセックスは、男性が射精して勃起が鎮まると一度、雰囲気として終わりで一区切りついてしまう。また勃起するまでの休憩時間が必要になる。
絶頂がわかりやすい。そして、射精してしまうと満足してしまうことも多い。
いきなり手などで射精させて搾り出してしまったあと、そこからすぐに激しく女性と愛撫しあうことは、自分が絶頂したから相手も絶頂させたいという復讐であって、基本的に焦らされて我慢の限界にフィニッシュで射精する展開に慣れてしまっている。
マラソンみたいなもの。
スタートして、ゴールに射精してフィニッシュする展開である。
短距離走の早漏気味な人もいる。長距離走の遅漏気味な人、途中で休憩がわりに愛撫してくる長距離走タイプもどき、短距離走タイプだけれど射精する前に小休止して、中距離走または長距離走を目指すタイプにしても、フィニッシュは射精で、生殖が目的という伝統の展開は、なかなかゆるがない。
ドラッグに脳がイカレたら死ぬ。水越ユイは死を身近に感じてきた。
藤井茉莉の小説を読んで、水越ユイは死の気配を感じ取って、藤井茉莉に会いに来た。
自分の分身のような小説を書いた人を、死なせるわけにはいかない。
水越ユイは自殺する人の気配を察知する力を、輪姦のされたあとで手にしたサバイバーだった。

Survivor
事故や事件、災害などに遭いながら生きのびた人。
自殺した人の周囲の遺された人。
幼少時等に継続的な虐待を受けながら、現在は社会生活を送っている人。過去の虐待により抱えたトラウマからの回復過程にあるという意味合いが含まれる呼称。
闘病中の人、またはその病気の経験者。

水越ユイは、藤井茉莉の官能小説と似た実体験の集団レイプされたあと、死、それも自殺する人の気配を感じることができるようになった。
家庭教師のアルバイトを始めて出会った高校生は自殺はしなかった。癌で亡くなってしまったが、最後まで自殺しない約束を守ってくれた。
彼女を調教した家庭教師は、入院中に彼女が誰かわからなくなっていた。サークルの合宿のあと、どこから入手したのか合成ドラッグを服用したまま、入手した覚醒剤を打った。これは自殺に等しい。
命は取り止めたが、記憶をほとんど喪失してしまった。
彼女が共演したAV女優は、タレントを目指すと引退して芸能活動をしていた。一年に数回は会うようにしていたが、去年、自殺してしまった。AV女優から、映画女優になったのに。
自分の前に3人の自殺する人がいた。1人目は自殺しなかった。だが、心はすでに死んでいた。2人目は自殺はしなかったが癌で夭逝した。3人目は部屋で首つり自殺してしまった。
愛した人たちが世界から奪われた。彼女はそう感じている。
藤井茉莉は、4人目の彼女が奪われたくない愛しい人なのだった。

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