PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 906
 908
の最後へ

媚薬の罠 908

あとは、もともと細かい性格がさらに気難しくなった。
大学構内の彼の部屋に供される「3時のお茶」の湯加減や、昼食のタイミングに対するクレームの手紙が現存している。著作に没頭するほか、オカルトやホメオパシー(身体の自然治癒力を引き出す自然療法)の研究にも熱心に取り組み、50歳を前に数学教授の座からも退任。そして「教授社交室主任」という一種の世話係、家庭教師のような仕事をしながら、執筆活動を行っている。
数学者としての彼は、当時起きていた論理学に関する変化にも深い興味を抱いていた。それは、言葉の代わりに数学の演算規則をあてはめ、概念や観念を記号変換することで合理的に理解しようという思想だった。
数学者として「記号論理学」を執筆し、その第2巻を書き進める中で風邪をこじらせ気管支炎を併発。1898年に、彼は65歳で独身のまま死んだ。
のちに数式でアインシュタインは核兵器を開発し、相対性理論を発表した。
数学者ドジソンことルイス・キャロルは概念や観念を、数式で記号として計算するということを立証しようとした。
恋愛を数学で解き明かすことができるのか。古代エジプト人は、数学の計算によって巨大なピラミッドの建造に成功している。
幻想界には、あらゆる時代の情報の欠片が散らばって漂っている。
藤井茉莉は官能小説を、過去の官能小説を文章の情報のパーツとして分類して、再配置することで、計算して自作の読者の感情を制御しようとした。
それは技術で官能小説を創作するだけでなく、他の官能小説以外でも情報の欠片があれば、創作が可能になる技術で、それは昔の童話の物語を構造を分析するために、シーンの内容ごとにパーツに分けたロシアの文化と文学の研究者ブロップとは真逆の発想である。
昔話や童話があって、過去の文化や社会のシステムを表現しているので構成を分析してみるプロップの発想から、過去の文化や社会を表現している情報のパーツを技術的に配置すれば、物語として読まれる作品の創作が可能という逆転の発想ということになる。
1862年7月4日、日記によればまだルイス・キャロルになる前の数学教師のドジソンは、アリス・リデルとその姉妹と、キャロルの友人ダックワースという少女たちと一緒でピクニックに出かけている。この時、彼はアリスたちにお話をしてほしいと頼まれた。ドジソンはこの少女たちを楽しませるために、即興でお話を語り始めた。
彼はとりあえず先の展開などは考えず、とにかくヒロインの「アリスを兎穴に落とした」と言った。
この言葉にも滲んでいるが、彼は物語の続きを考えるのにとても苦心した。 
何度か「続きは、また、この次にね」と彼は物語を終えようともした。
しかしアリスとその姉妹たちは「今が、この次だわ!」と彼に物語の続きをせがんだ。
このように即興で物語を考えるのに、大変な思いも彼はした。しかし、彼はこの日のことを後に「黄金の昼下がり」と記している。
少女たちにせがまれながら、物語の続きを考えたこの時間は、ドジソンにとって生涯忘れえない、大切な思い出となった。
ギリシャ神話のパリスの審判の逸話に登場する「黄金の果実」は、彼にとっては即興で少女たちにした物語だったのかもしれない。
水越ユイにとって、藤井茉莉を即興で愛撫しているこの瞬間が「黄金の果実」の時間だった。
水越ユイは今までの性体験で、男性たちから身体の快感のありかを発見されてきた。
藤井茉莉の自分よりも明らかに性体験が少ない様子の藤井茉莉に、どうやって絶頂とその先まで教えるか。身体が感じることで、心まで快感に溺れる。
藤井茉莉に騒がれたり、嫌がられないように合成ドラッグを使用した。しかし、感度が上がりすぎてしまっていて、藤井茉莉はどこをどのように愛撫されたら、水越ユイと絶頂までスムーズにいけるかを教え込むのが、なかなか難しい。
愛撫の流れや手順の癖を、藤井茉莉に水越ユイがてけられたら、もうドラッグに頼る必要ない。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す