PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 905
 907
の最後へ

媚薬の罠 907

数学者、詩人、思想家、そして「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」の作家として有名人ルイス・キャロルとなったドジソンは、撮影技師の仕事から、40代後半に手を引いている。もう、社交界で顔と名前を売る必要はもうないと判断したのだろう。
そしてプライベートでは、心霊写真の撮影などのオカルトに傾倒した。
それまで、愛しさから撮影してきて、芸術として美の象徴としてモデルになってもらってきた少女たちを、この頃には物として考え、幽霊の姿にすりかえて、彼は撮影した。
この彼の心の変容は、産業革命以降の社会情勢の変化ともつなかっている。サディズムとファシズム。
たしかにアリスと夏の日にボートでふたりきりで過ごしていた頃にも、支配しようとする傾向はあった。しかし、対象がアリスだけであったサディズムから、写真の撮影も「小さなお友たち」のモデルの少女たちへの愛しさが喪失してしまったファシズムへ移行して行った変容は彼の心で、どんな力のせめぎ合いがあったのだろう。それは謎のままである。
1868年に、ルイスの父親が急死する。晩年はリポン大聖堂大執事という「高教会派」の重鎮となっていた聖職者の父親の死は、彼にひどいショックをもたらした。父を尊敬していた彼は後に、父親の死は「生涯最大の損失」であったと書き残している。長男の彼はドジソン家の跡取りであるため、父の亡き後、家族を養う義務があった。
当時36歳のルイスを筆頭に11人の子供たちは誰も結婚しておらず、自活しているのは彼のみで、彼の銀行口座は、家族や親戚関係への送金のためにしばしば赤字を記録した。
しかしながら、一方で多くのチャリティ団体への定期的な寄付や送金も彼は絶対に欠かさなかった。
アリスは、クライスト・チャーチに入学したヴィクトリア女王の息子レオポルト王子と親しくするなど、浮名を流し、28歳で裕福な地主の息子と結婚した。彼女は82歳まで生きた。
40代に入ると、ルイス・キャロルは自ら老人と名乗り、人付き合いを控えるようになった。
180センチの細身の姿に白髪のまじったダーク・ヘアのルイスは、実年齢より若く見えるくらいだった。
一人で歩く、長い散歩を好んだ。
その距離にして、毎日30キロ以上。冬でも決してコートを着ずに歩いた、やがてその習慣が原因で、彼は命を落とすことになる。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す