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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 906

ドジソンがアリスに純愛を抱いてふたりきりの秘密の戯れをしていたのと「不思議の国アリス」と題名を変更して出版したルイス・キャロルとの、生の断絶の差異は、アリス個人から、多数の「小さなお友たち」を密かに言葉で凌辱するファシストとなり、個人から多数へ肉欲の対象が変わったことにある。
なぜ、彼がそうなったのかはわからない。しかし、少女が幽霊のように見える偽物の心霊写真を撮影し始めたのは、撮影されている愛する人物のかけがいのない生の瞬間を愛しさからからとらえ保存したい所有したいというサディズム的な欲望から、幽霊という個性が欠落した架空の存在に加工して撮影することで、目の前のモデルの少女を、幽霊というイメージで統合してとらえなおすファシズム的な欲望に変わっていったことが、残されている写真からもわかる。撮影すること、モデルになることはSM的な欲望だが、写真を現像するときに加工する行為には、全く別の欲望がある。
ドジソンが少女ばかりを撮影していたわけではない。
イギリスの貴族階級の著名人などの肖像写真も撮影している。
肖像画から肖像写真へ移行していく風潮の時期に、彼は社交界で顔を売るために撮影技術を使っていたと思われる。まだ写真撮影には技術が必要だったので、腕のいい撮影技師は重宝された。
肖像画から肖像写真へ移行していく風潮の時期に、彼は社交界で顔と名前を売るために写真の撮影技術を使っていたと思われる。
まだ写真撮影には現像に技術が必要だったので腕のいい撮影技師は重宝された。ジョン・エヴァレット・ミレー、エレン・テリー、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティなど多数のイギリス上流階級の著名人の肖像写真を、ドジソンは撮影した。
またドジソンの死後に、少女の水着の写真や裸の写真も残されていた。
芸術ではロマン主義の時代である。
ロマン主義とは18世紀後半〜19世紀前半頃に活躍した画家による、個人の思考・欲求・幻想、そして進化続ける当時の今を描こうとした絵画を目指した創作活動である。
ロマン主義は美術だけでなく、文学・美術・音楽といった芸術全般に影響を与えた。
ロマン主義を理解するには、その対極にある新古典主義を知る必要がある。
18世紀後半に、ロココ主義の軽さや過剰な装飾性を否定し、より重厚なローマやギリシャ時代の芸術を規範とした新古典主義が誕生した。その後、形式や主題、写実性を重んじる新古典主義に対し、各々の画家が描きたいものを描く自由を求めたのがロマン主義で、それぞれの画家が自身の理想を追い求めているので、作品の傾向にそれほど共通性がないのもこの時代の作品の特徴である。
「我が子を食らうサトゥルヌス」
イタリアの画家フランシスコ・デ・ゴヤが1819年から1823年に製作した。
宮廷画家として活躍し、ヌードを発表することが御法度の時代に「裸のマハ」など問題作も発表してきたゴヤが、40代で聴力を失ってしまった。
それでも画業を続けた彼が晩年に手がけたのが「我が子を食らうサトゥルヌス」である。
ローマ神話に出てくるサトゥヌルスは農耕の神として崇められていた。
ところが、自身の子どもに殺されると予言され恐れて、5人の子どもを頭から食べてしまう逸話を生々しく描いている。
「マドリード、1808年5月3日」もロマン主義の絵画である。
ナポレオンと結託したエジプト人親衛隊と戦闘は、5月2日に起こった。その夜から3日未明にかけて暴動を起こしたマドリード市民を鎮圧したのは、フランス軍の銃殺執行隊。400人以上が反乱者として銃殺されて命を失ってしまった。
ゴヤはその怒りを、プリンシペ・ピオの丘で女子供を含む43人が処刑された絵画に込めた。執行者の顔が見えないのは、ゴヤが彼らを人間と認めていなかったからか。反対にこれから処刑される反乱者たちは、怒りや恨み、恐怖など、死に対しての感情をあらわにしている。
中でも中央の白い服を着た男性は、跪きながらも、処刑者たちを責めるような強い目を向けている。よく見ると、この人の手のひらにはキリストの聖痕に似た痕が描かれている。
また「雨、蒸気、速度――グレート・ウェスタン鉄道」という絵画がある。
これはウィリアム・ターナーが1844年に描いた作品である。
ターナーは、揺れる大気やその大気に漏れる光を科学的に分析して、当時台頭していた色彩理論を用いながら、油彩、水彩、版画などを手がけた。代表作とされる「雨、蒸気、速度――グレート・ウェスタン鉄道」には世界最大の鉄道だったグレースト・ウェスタン鉄道の機関車が、雨と蒸気の中、石炭をくべ、赤い炎をチラつかせながら、鉄橋を猛スピードで駆け抜ける様が描かれている。
線路の前面では野うさぎが機関車から逃げようとしている。この描写でターナーは、機関車の速さを表現した。
このターナーの現在の瞬間を描くというコンセプトで、まるでその場にいるような風景描写は後の印象派の画家たちに影響を与えた。
こうしたロマン主義の芸術の考えから、写真家ドジソンは、少女たちの水着姿やヌードを美の表現と考えて撮影した。

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