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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 881

アネモネの花にはギリシャ神話の美少年アドニスの逸話がふくまれている。
ペルセポネはアフロディーテから預かった箱が気になって仕方がなかった。ついに、箱を開けてみることにした。箱の中には、眉目秀麗な男の子がいた。ペルセポネはこの男の子アドニスを溺愛した。
アドニスが成長すると、アフロディーテの耳に入った。
アフロディーテも、アドニスをそばに置きたいと思うようになったのである。
アフロディーテの女神は、アドニスを取り合った。
芸術の女神ミューズのひとり、カリオペが主催する裁判所に、争議はゆだねられることになった。
判決は、1年の3分の1をアフロディーテと共に過ごし、3分の1をペルセポネと共に過ごし、残りの3分の1はアドニスひとりで過ごしてよい、というものであった。
しかし、アフロディーテは判決を守らなかった。ペルセポネは怒って、アフロディーテの愛人である戦乱の神アレスに告げ口をした。
アフロディーテはあなたを差し置いて、たかが人間を愛している、と。
戦乱の神アレスは嫉妬で怒り、凶暴な猪を野に放した。
アドニスは狩猟が大好きで、アフロディーテが止めるのも聞かずに狩りに出た。
アドニスの犬が大きな猪を追い出した。
アドニスは猪めがけて槍を突き出し、ついに投げたが、急所をはずし猪に突き殺された。
突くこと、血を噴き出すこと。美少年は絶頂の暗喩で死に至る。
アフロディテは美少年アドニスの死を悼み、死と嘆きを忘れず毎年思い出すように、アドニスの身体から流れる血で、深紅のアネモネを咲かせた。
アフロディーテはゼウスに頼んだ。

「アドニスが暗い冥府で過ごすのはかわいそうだから、せめて夏だけ私のそばに置いてください」

アネモネは夏になると、可憐な花を咲かす。アネモネは、はかない花で、風が吹くと花が咲き、二度目の風で花弁が落ちると言われている。
アネモネの名は、ギリシャ語のアネモス(風の花)から来た言葉である。
女神アフロディーテは鍛冶の神ヘパイストスの正妻で、愛人に戦乱の神アレスがいる。
女神ペルセポネは、冥界の王ハーデスの正妻である。アフロディーテとペルセポネには因縁があり、アフロディーテが天使エロスの矢でハーデスを射らせた。そのためハーデスはペルセポネに恋をして冥界へ拉致して、強引に結婚した騒動の逸話がある。
画家ボッティチェリは、アネモネの花を描いておくことで、美少年アドニスやペルセポネを想起させて、描かずに引き寄せる。さらに西風ゼピュロスと妖精クロリスの夫婦神を描くことで、西風ゼピュロスは冥府の王ハデス、妖精クロリスはペルセポネの関係を暗示させる。
アネモネの花は風に吹かれて咲き、風に吹かれて散る。記号の海から生まれたヒロインたちもアネモネの花のように咲いて、風が止む頃には描かれた薔薇の花びらのように散らばって、解体された記号に戻っていくだろう。
「ヴィーナスの誕生」が描かれた理由には諸説ある。だが、当時隆盛を誇ったメディチ家の依頼によるものではないかとの説が有力である。「ヴィーナスの誕生」の画面右側に描かれているオレンジの葉はメディチ家を象徴するオレンジを表しているとされ、主要な後援者であったメディチ家とボッティチェリは親交が深かったと言われている。また、この絵が完成後にメディチ家の別荘に飾られていたこともふまえると、メディチ家の統治を称賛するために制作されたと考えられる。イタリアの富豪のメディチ家がパトロンとしてついていなければ、キリスト教の教会が権威をふるっていた時代、キリスト教関連の絵画以外の絵画は規制されていた規制、とりわけ絵画に裸を描くことが破ることが、画家ボッティチェリにできたのは、メディチ家の財力と経済的影響力によるものである。

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