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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 879

去勢された性欲を完全に抑圧すると、ウラノスが巨人たちを地下迷宮へ幽閉した結果、地母神ガイアの不満や怒りが起きることが反復される。子が産まれてこなければ、労働力の確保と隷属して納税する民衆が枯渇してしまう。
アフロディーテの誕生は、女性をコントロールして、男性を結婚という制度に誘導するシステムの誕生でもある。
男性の性欲の塊を海に投げ込むことで、アフロディーテが誕生する。
ヒロインたちが記号化された想像力の海に、男性の性欲という力が加えられることで、融合したアフロディーテ=再構成されたヒロインが生成される。
思考する身体。しぐさやポーズを行うことは記号としての情報がふくまれる。
身体をS字にひねることによって、柔らかな印象を演出する。ルネサンス期の絵画や彫刻の特徴となる帆立貝の上に立つヴィーナスのポーズは「恥じらいのヴィーナス」と呼ばれる古代彫刻にみられるポーズである。ヴィーナスは恥らっているということを伝えるために画家は、ヴィーナスをこのポーズで佇む姿にして描いている。
ヴィーナスが舟のように乗っている大きな貝は、帆立貝である。日本で多く収穫される帆立貝と種類は若干違うが、地中海の貝でジェームズホタテ貝と呼ばれている。フランスでは帆立貝のことをコキーユ・サンジャックと呼ぶ。聖ヤコブの貝という意味である。スペインには、サンティアゴ巡礼が行われるが、巡礼者は食器の皿のかわりにホタテ貝の貝殻を持ち歩く風習がある。
これは聖ヤコブの杖にホタテ貝の貝殻がついていたことが由来となっている。
皿のかわりのホタテ貝の上に全裸の恥じらう若い美しい女性を乗せている姿が描かれている。
画家のボッティチェリは、ヴィーナスの右側にはギリシャ神話の逸話から西風ゼフィロスと妖精クロリスの姿を描いている。妖精クロリス、ギリシア神話の春の妖精。その美しさから西風の神ゼピュロスに見染められ拐われる。結婚したクロリスは、ゼピュロスに全ての花を司る力を与えられ、ローマ神話では花の女神フローラとなる。
結婚によって、女神に昇格した妖精である。
クロリスは肌もあらわに、西風の神ゼピュロスに抱きついて、ゼピュロスと息を吐いている姿で描かれている。男性に肌もあらわな姿で抱きつき吐息をもらす女性。ボッティチェリは、この夫婦神の姿を視覚化した。逸話では、西風ゼピュロスがアフロディーテを風で島へ運んだとされているだけで、妖精クロリスが一緒に息を吐いて運んだとは伝えられていない。
画家ボッティチェリの想像で加えられたこの妖精クロリスが抱きつき、夫婦で息を吐いている姿は、夫婦の性のいとなみの暗喩だろうか。

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