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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 878

ボッティチェリは、女神ヴィーナスを描く際に、リアリズムに則った写実主義は用いなかった。その美しさを強調することに主眼を置いた。
つまり、デフォルメされた人物像となっている。
したがって、描かれたヴィーナスの首は現実ではあり得ないほど長く、右に大きく下がった肩や姿勢なども、解剖学的にはあり得ないバランスとなっている。しかし、骨格のバランスは歪みがありながら、ボッティチェリのヴィーナスは、手で胸、髪の毛で股間を隠して、全裸の女性が貝の上で佇む姿だとわかる。
ヴィーナスは、アフロディーテとも呼ばれる。ゼウスの父クロノスが、その父ウラノスの男根をアダマスという金属の大鎌で刈り取り、大海原に投げ入れた。落ちたところから白い泡が湧き立ち、アフロディーテが誕生した。
アプロディーテは、もともと古代オリエントや小アジアの豊穣の植物神、植物を司る精霊、地母神であったと神話学の研究者から考えられている。
だから生殖と豊穣、すなわち春の女神とされる。
女神アフロディーテは西風ゼフィロスと妖精クロリスに運ばれて、やがてキュプロス島へ到着する。
この島は女神の聖地となった。
アフロディーテは時を見守る季節の三女神(ホーライ)に美しい衣を渡され身にまとうと、オリュンポスの神々の宮殿へ連れられてゆく。
アフロディーテに全ての男神はその美しさに心を奪われ、この女神を妻にと望んだとされている。
のちにゼウスとヘラは鍛冶の神である息子ヘパイストスをアフロディーテと結婚させる。ヘパイストスが、ゼウスのために鍛冶の神として雷霆(らいてい)を鍛えあげ、女王ヘラにヘパイストスが罠の贈り物をする逸話があり、アフロディーテと結婚する。
女神の中でも最も美しいとされるアフロディーテが、男神の中でも容姿は醜いヘパイストスと結ばれる。美とは過剰である。美しさと醜さとは、どちらも過剰という意味では同じだから。
ヴィーナス、つまりアフロディーテの誕生は、天空神ウラノスの性欲を切り離して海に投げ込まれる逸話とつながる。
天空神ウラノスは、ギリシア神話において全宇宙を最初に統べた原初の神々の王とされる。地母神ガイアの息子であると同時に夫でもあり、ガイアとの間にクロノスらティターン12神をもうける。
キュクロプスやヘカトンケイルという巨人もウラノスとガイアとの間の子だが、ウラノスはその醜怪さを嫌い、彼らをタルタロスに幽閉してしまう。過剰なものを目につかないように抑圧すること。
これに不満だった地母神ガイアは末子の時の神クロノスに命じて、刃が魔法の金属アダマスで作られた大鎌を与え、寝室でウラノスとガイア交わる時に、クロノスに襲撃させ、ウラノスの勃起したペニスを切り落とさせた。
大鎌で雑草を刈り、また穀物を収穫する時にも鎌は使われる。身近な労働の道具である。労働によって階級が作られる。男性の性欲の象徴で記号の勃起するペニスを、労働の道具で切り離す。これは、労働に使役させるために男性の性欲の自由を奪うことで服従させる去勢の逸話でもある。時の神クロノスが父神ウラノスの去勢をすることで、支配権を奪う。もともとの穀物を生産する労働は、人が時間で管理され支配されることである。

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